トランプ米政権のウィットコフ中東担当特使は6日、ウクライナ政府の高官らと来週にサウジアラビアで会談する方向で調整していると明らかにした。米ウクライナ関係は2月末の首脳会談が決裂で終わって悪化していたが、改善に向けて動き出すことになる。
ウィットコフ氏はホワイトハウスで記者団に、「現在、(サウジアラビアの)リヤドかジッダでウクライナ側との協議を調整している」と語った。目的については「(ロシアとウクライナの)和平合意と初期停戦の枠組みを固めることだ」などと語った。米国が一時停止したウクライナに対する軍事支援の再開なども議題になるとみられる。
米ニュースサイト「アクシオス」によると、サウジでの会談には米国側からはウィットコフ氏のほか、ルビオ国務長官、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が赴き、ウクライナ側からはイエルマーク大統領府長官が参加する見通しだという。
トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領は2月28日の首脳会談で、ロシアとの戦争終結に向けた和平交渉を巡って激しい口論となり、決裂した。トランプ氏は3月3日、ウクライナに対する軍事支援を停止するよう指示した。
これを受け、ゼレンスキー氏はトランプ氏に手紙を送った。和平交渉に前向きな姿勢を示すとともに、自国内の鉱物資源の共同開発を巡る合意に署名する意向を示す内容だ。トランプ氏は「手紙を送ってくれたことに感謝している」などと語っていた。
ウィットコフ氏は、「トランプ氏は、ゼレンスキー氏が非常に前向きな第一歩を踏み出したと感じたのだと思う」と指摘。「謝罪があり、米国がウクライナのために多くのことをしてきたという認識と、感謝の気持ちがあった。それが最大のポイントだ」と述べ、ゼレンスキー氏の手紙が関係改善に向けた重要な出発点であると説明した。【ワシントン西田進一郎】
毎日新聞 2025/3/7 07:10(最終更新 3/7 07:10)
https://mainichi.jp/articles/20250307/k00/00m/030/013000c