旧統一教会による被害を訴えてきた元2世信者・小川さゆりさん(仮名)が参考人として国会に出席。“信者の子どもを救済する法案も必要”と主張しました。別の元2世信者の女性は両親が1億6000万円を献金。返金を求めるよう説得しましたが…女性は「私は救済されない」と語りました。
■「被害拡大の張本人」小川さゆりさん 与党に苦言
旧統一教会による被害を訴え続けてきた元2世信者・小川さゆりさん(仮名)が参考人として初めて国会で証言しました。
旧統一教会 元2世信者 小川さゆりさん(仮名)
「今回の法案の最大の積み残し課題は、子どもの被害が現実的には全く救済できないということです」
小川さんは、今回の救済法案は主に献金問題を解決しようとするものであり、信者の子供を救済するための法案も必要だと訴えました。
小川さゆりさん
「子どもの被害防止・救済が、来年の国会で宗教的な児童虐待を防止する法案を与野党で協力して成立させるようにお願いしたいです」
被害を訴えることで現役信者などから攻撃を受けてきたという小川さん。それでも活動を続けてきた理由をこう話しました。
小川さゆりさん
「自分の経験を話すだけでも深く傷つき、皆が体調を崩しながらも訴え続けてきました。
それは政府が本当に動いてくれるのか信じられない、被害拡大の張本人の与党側にそのような動きが見られないから、被害者がそこまでやるしかなかったという事実を忘れないでいただきたいです」
これまで自民党を中心とする多くの国会議員が教団やその関連団体のイベントに出席するなどして活動を“礼賛”する発言などを行ってきました。それら議員を「被害拡大の張本人」と断じたのです。
■両親が1億6000万円献金も… 全額返金困難に「救われる人が少ない法案」
救済法案成立を前に、その実効性に不安を抱える女性がいます。元2世信者の鈴木みらいさん(仮名・30代)。20年ほど前、信者である両親が1億6000万円を教団に献金したといいます。
旧統一教会 元2世信者 鈴木みらいさん(仮名・30代)
「縁を切った証拠というか、これが最後のやりとりなのかなって」
11月中旬、母親から届いた一通の手紙。そこに書かれていたのは…
「私が20年前に献金を捧げたのは、真の父母様が再臨主だと確信したからです。献金を捧げることができて本当に良かったし、感謝しています。合意書も書いたのでこれで終わりにしようと思います」
ーーお母さんが自分の意思で書くと思うか?
旧統一教会 元2世信者 鈴木みらいさん
「書かないと思います。娘の高額献金に反対する思いよりも統一教会の信仰を選んだと思っています」
2022年9月、鈴木さんは1億6000万円全額の返金を教会に求めるよう両親を説得。教会も一時は返金する姿勢を見せたといいます。
しかし両親は、10月末に3000万円の返金で納得するという合意書に鈴木さんの反対を押し切ってサインしたというのです。その直前のやりとりでは…
▼両親との電話のやりとり(10月末)
旧統一教会 元2世信者 鈴木みらいさん
「3000万円はどこから出てきたの?」
父 「これからの生活老後を考えて3000万円。詳しいことはわからない」
旧統一教会 元2世信者 鈴木みらいさん
「(合意書に)サインしないでね。決めないでね。納得してないよ」
母
「パパと話してこれで決めようと思っているので」
旧統一教会 元2世信者 鈴木みらいさん
「サインしないんだよね?(電話が切れる音)切ったよ!」
3000万円が戻ってきても、両親はそのお金でさらに献金しかねないと鈴木さんは危惧します。
旧統一教会 元2世信者 鈴木みらいさん
「私に関しては救済されないと思っている。本人(母)が返金を求めていない“証拠”としての手紙もあるし、実際救われる人が少ない法案ではあるのかなと思っているので。実効性をこれからちゃんと確かめていけたらと思う」
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TBS NEWS DIG
2022年12月10日(土) 00:53
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/226661