自民党が関係を断絶すると宣言した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の男性信者が本紙の取材に応じ、教団側の指示で山際大志郎経済再生担当相=衆院神奈川18区、当選6回=の選挙をボランティアで長年支援してきたと明かした。自民党が所属議員に教団側との接点を自主点検させ、公表した結果には、選挙でボランティアの支援を受けたとする欄に山際氏の名前はなかったが、男性は現場で秘書の指示を仰いだと明言。今後も支援を続けるとしている。(市川千晴)
男性は神奈川18区内の川崎市に住む60代。山際氏と個人のつながりはないというが「初当選した衆院選から、教団側の指示で手伝っている」と語る。
男性は入信後、政治に興味があったため、政治活動を展開する教団の関連団体「世界平和連合」にも入会。山際氏が神奈川18区から自民党公認で立候補し、初当選した2003年衆院選で、平和連合の指示を受けて支援活動に従事。平和連合の仲間とともに動員され、街頭演説の現場では、山際氏の秘書の指示を仰ぎ、自民党員と一緒にビラ配りをしたという。
◆衆院選のたび関連団体から協力指示が
平和連合からは衆院選のたびに協力するよう指示があり、直近の昨年10月は山際氏の出陣式と2回の街頭演説に顔を出し、ビラも配った。選挙区は山際氏、比例代表は自民党と投票先の指示もあったという。
男性は新型コロナウイルス禍の前までは、平和連合が毎年開いていた3、40人規模の集会や勉強会に参加。山際氏が国政に関する報告を行うこともあり、「選挙支援に対する平和連合へのお礼もあった」と振り返る。また、勉強会には山際氏の秘書が代理出席したこともあり、「一緒に見識を深めてきた」と話す。
自民党が教団との断絶を宣言したことに関して、男性は「信教の自由を保障してほしい。教団の理念実現に政治家が必要なので、支援を続ける」と語った。
◆山際氏事務所「確認していない」教団側も否定
山際氏は自民党の自主点検で、選挙でボランティアの支援を受けたと申告していない。本紙が山際氏の事務所に事実関係を確認したところ「組織的に支援を受けたり、依頼したことはない。ボランティアの中に関係者がいたか確認していない」とコメント。関連団体の会合であいさつ、講演したことは党に申告したが、男性が参加した集会や勉強会に関しては「団体関係者がいたかどうかは確認していない」と答えた。
平和連合は選挙支援について、本紙の取材に「組織的に人員を派遣した事実はない」とコメントした。
◆理想実現へ山際氏支援を続けたい
山際大志郎経済再生担当相の選挙を長年、ボランティアで支援してきたと明かした世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の男性信者とのやりとりは次の通り。
—支援を始めたのは。
山際氏が衆院神奈川18区から自民党公認で立候補した2003年の衆院選から。教団の関連団体「世界平和連合」を通じて街頭演説に動員され、山際氏の秘書の指示を仰ぎながら、自民党員と一緒にビラ配りをした。戸別訪問やポスター貼りをした選挙もあった。選挙事務所で投票依頼の電話をかけた仲間もいた。全員ボランティアだ。
—昨年の衆院選は。
川崎市内の溝口神社での出陣式と、東急溝の口駅前の街頭演説の計3回、平和連合の仲間とビラ配りに行った。「選挙区は山際氏、比例は自民党」と平和連合の指示通りに投票した。
—選挙以外の関係は。
コロナ禍の前は毎年、川崎市内の公共施設で集会があり、山際氏が国政の報告をすることもあった。平和連合の仲間向けの3、40人規模の会合で、山際氏と直接言葉を交わせるので楽しみだった。平和連合は識者を招いた勉強会も毎年開いており、秘書が代理出席していた。ともに見識を深めてきた。
—山際氏以外の応援は。
夏の参院選では、神奈川選挙区から立候補した自民党候補の街頭演説に何回か出向いた。平和連合から公明党候補を応援するよう頼まれ、川崎市内の集会にも仲間と参加した。
2に続く
東京新聞
2022年9月14日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/201953
男性は神奈川18区内の川崎市に住む60代。山際氏と個人のつながりはないというが「初当選した衆院選から、教団側の指示で手伝っている」と語る。
男性は入信後、政治に興味があったため、政治活動を展開する教団の関連団体「世界平和連合」にも入会。山際氏が神奈川18区から自民党公認で立候補し、初当選した2003年衆院選で、平和連合の指示を受けて支援活動に従事。平和連合の仲間とともに動員され、街頭演説の現場では、山際氏の秘書の指示を仰ぎ、自民党員と一緒にビラ配りをしたという。
◆衆院選のたび関連団体から協力指示が
平和連合からは衆院選のたびに協力するよう指示があり、直近の昨年10月は山際氏の出陣式と2回の街頭演説に顔を出し、ビラも配った。選挙区は山際氏、比例代表は自民党と投票先の指示もあったという。
男性は新型コロナウイルス禍の前までは、平和連合が毎年開いていた3、40人規模の集会や勉強会に参加。山際氏が国政に関する報告を行うこともあり、「選挙支援に対する平和連合へのお礼もあった」と振り返る。また、勉強会には山際氏の秘書が代理出席したこともあり、「一緒に見識を深めてきた」と話す。
自民党が教団との断絶を宣言したことに関して、男性は「信教の自由を保障してほしい。教団の理念実現に政治家が必要なので、支援を続ける」と語った。
◆山際氏事務所「確認していない」教団側も否定
山際氏は自民党の自主点検で、選挙でボランティアの支援を受けたと申告していない。本紙が山際氏の事務所に事実関係を確認したところ「組織的に支援を受けたり、依頼したことはない。ボランティアの中に関係者がいたか確認していない」とコメント。関連団体の会合であいさつ、講演したことは党に申告したが、男性が参加した集会や勉強会に関しては「団体関係者がいたかどうかは確認していない」と答えた。
平和連合は選挙支援について、本紙の取材に「組織的に人員を派遣した事実はない」とコメントした。
◆理想実現へ山際氏支援を続けたい
山際大志郎経済再生担当相の選挙を長年、ボランティアで支援してきたと明かした世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の男性信者とのやりとりは次の通り。
—支援を始めたのは。
山際氏が衆院神奈川18区から自民党公認で立候補した2003年の衆院選から。教団の関連団体「世界平和連合」を通じて街頭演説に動員され、山際氏の秘書の指示を仰ぎながら、自民党員と一緒にビラ配りをした。戸別訪問やポスター貼りをした選挙もあった。選挙事務所で投票依頼の電話をかけた仲間もいた。全員ボランティアだ。
—昨年の衆院選は。
川崎市内の溝口神社での出陣式と、東急溝の口駅前の街頭演説の計3回、平和連合の仲間とビラ配りに行った。「選挙区は山際氏、比例は自民党」と平和連合の指示通りに投票した。
—選挙以外の関係は。
コロナ禍の前は毎年、川崎市内の公共施設で集会があり、山際氏が国政の報告をすることもあった。平和連合の仲間向けの3、40人規模の会合で、山際氏と直接言葉を交わせるので楽しみだった。平和連合は識者を招いた勉強会も毎年開いており、秘書が代理出席していた。ともに見識を深めてきた。
—山際氏以外の応援は。
夏の参院選では、神奈川選挙区から立候補した自民党候補の街頭演説に何回か出向いた。平和連合から公明党候補を応援するよう頼まれ、川崎市内の集会にも仲間と参加した。
2に続く
東京新聞
2022年9月14日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/201953