デジタル庁事務方ナンバー2の赤石浩一デジタル審議官が、NTTから3回にわたって高額接待を受け、うち2回は平井卓也デジタル相(63)が同席していた問題。NTTとの会食について、平井氏はこれまで「割り勘として問題のないようにきっちり払った」と説明してきたが、この間の経緯を検証すると、平井氏が“隠蔽工作”を行っていた疑いがあることが「週刊文春」の取材でわかった。
平井氏は9月28日の記者会見で、支払い前に会食に関する「週刊文春」からの取材が来ていたことを認め、「NTTに確認して(6月)21日に請求を受けて、3人分、計22万円を支払った」などと経緯を説明。一方で、「社員食堂のようなレストラン。請求書が来ないと払えるようなものではない」などと述べた。
NTTの澤田純社長から、平井氏、赤石氏(当時は内閣官房イノベーション総括官。今年4月から内閣府科学技術・イノベーション推進事務局長、9月から現職)、向井治紀デジタル庁参与(当時は内閣官房IT総合戦略室室長代理)が、NTTグループの会員制レストラン「KNOX」で接待を受けていたのは、昨年10月2日、12月4日のことだった。
「週刊文春」は6月14日、平井氏がNTTから接待を受けていた事実について、平井氏ならびにNTTに確認を求める質問状を送付した。平井氏は、「政治活動の一環として、多くの方と会食を通じて情報収集や意見交換を行っており、また、個別の事案一つ一つにお答えするのは控えさせていただきます」などと回答。NTTも「個別の会食についてのお答えは差し控えさせていただきます」などと回答していた。
さらに、「週刊文春」は、この会食に赤石氏や向井氏が同席していた事実を把握。国家公務員倫理規程は、利害関係者との1万円を超える会食は、届け出を義務付けてきた。仮に利害関係者以外でも、社会通念上相当と認められる程度を超えて接待を受けることを禁じている。
そこで6月21日、赤石氏がNTTの接待に同席していた事実について当時赤石氏が所属していた内閣府に、向井氏が同席していた事実について内閣官房に、改めて確認を求める質問状を送付した。だが、内閣府、内閣官房、いずれからも期日までに回答はなかった。
ところが、「週刊文春」が6月24日発売号で、平井氏や向井氏がNTTから接待を受けていた事実を報じると、平井氏は記者会見でこう述べたのだ。
「私の費用負担ですね。私と同席していた事務方の分をきっちりと支払っております。これは先方からの請求どおり、割り勘として問題のないようにきっちり払った」
しかし――。
平井氏の“隠蔽工作”
「割り勘として問題がないようにきっちり払った」との説明は虚偽だった。
平井氏が今回、明かしたところによれば、平井氏がNTTに確認した上で費用を支払ったのは、「週刊文春」が赤石氏と向井氏の同席について確認を求めた6月21日当日。すでに、会食から半年以上が経過していたことから、事実上の接待と見なされ、赤石氏は減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けている(退官した向井氏は、月給10分の2(1カ月)相当を自主返納する意向を示している)。
では、「週刊文春」から6月14日に接待に関する事実確認の取材を受けてなお、NTT側に費用を支払っていなかった平井氏が、なぜ6月21日になって支払ったのか。
「平井氏は自らが受けた接待は、大臣規範に抵触しないという姿勢を貫いています。しかし、このままNTTに費用を支払わなければ、赤石氏や向井氏が国家公務員倫理規程違反になることは明らか。そうした中、6月21日に『週刊文春』から赤石氏や向井氏を同席させていた事実についての質問状が届いたことで、慌ててNTTに問い合わせ、費用を支払ったのでしょう。それでも、会見では『割り勘できっちり払った』と“隠蔽工作”を図ったわけですが、国家公務員倫理審査会で審査する運びとなった。結局、最後は隠しきれず、赤石氏は懲戒処分を受けることになったのです」(内閣府関係者)
平井氏は、官僚を同席させたことについては「一定の責任がある」として閣僚給与1カ月分を自主返納するという。
国際基督教大学の西尾隆特任教授が指摘する。
「NTTグループが受注した五輪アプリの件などからも、平井氏にとって、同社が利害関係者であることは明らかです。加えて安倍政権以降、人事などで政による官の支配が加速している。平井氏の誘いだったとすれば、赤石氏や向井氏は断れないでしょう。大臣規範に照らしても、平井氏には懲戒処分を受けた赤石氏より重い責任があります」
平井氏は以下のように回答した。
2に続く
文春オンライン
9/29(水) 16:12
https://news.yahoo.co.jp/articles/72d0f34f1be46b5fa2b63303a12a8704b8153562
平井氏は9月28日の記者会見で、支払い前に会食に関する「週刊文春」からの取材が来ていたことを認め、「NTTに確認して(6月)21日に請求を受けて、3人分、計22万円を支払った」などと経緯を説明。一方で、「社員食堂のようなレストラン。請求書が来ないと払えるようなものではない」などと述べた。
NTTの澤田純社長から、平井氏、赤石氏(当時は内閣官房イノベーション総括官。今年4月から内閣府科学技術・イノベーション推進事務局長、9月から現職)、向井治紀デジタル庁参与(当時は内閣官房IT総合戦略室室長代理)が、NTTグループの会員制レストラン「KNOX」で接待を受けていたのは、昨年10月2日、12月4日のことだった。
「週刊文春」は6月14日、平井氏がNTTから接待を受けていた事実について、平井氏ならびにNTTに確認を求める質問状を送付した。平井氏は、「政治活動の一環として、多くの方と会食を通じて情報収集や意見交換を行っており、また、個別の事案一つ一つにお答えするのは控えさせていただきます」などと回答。NTTも「個別の会食についてのお答えは差し控えさせていただきます」などと回答していた。
さらに、「週刊文春」は、この会食に赤石氏や向井氏が同席していた事実を把握。国家公務員倫理規程は、利害関係者との1万円を超える会食は、届け出を義務付けてきた。仮に利害関係者以外でも、社会通念上相当と認められる程度を超えて接待を受けることを禁じている。
そこで6月21日、赤石氏がNTTの接待に同席していた事実について当時赤石氏が所属していた内閣府に、向井氏が同席していた事実について内閣官房に、改めて確認を求める質問状を送付した。だが、内閣府、内閣官房、いずれからも期日までに回答はなかった。
ところが、「週刊文春」が6月24日発売号で、平井氏や向井氏がNTTから接待を受けていた事実を報じると、平井氏は記者会見でこう述べたのだ。
「私の費用負担ですね。私と同席していた事務方の分をきっちりと支払っております。これは先方からの請求どおり、割り勘として問題のないようにきっちり払った」
しかし――。
平井氏の“隠蔽工作”
「割り勘として問題がないようにきっちり払った」との説明は虚偽だった。
平井氏が今回、明かしたところによれば、平井氏がNTTに確認した上で費用を支払ったのは、「週刊文春」が赤石氏と向井氏の同席について確認を求めた6月21日当日。すでに、会食から半年以上が経過していたことから、事実上の接待と見なされ、赤石氏は減給10分の1(1カ月)の懲戒処分を受けている(退官した向井氏は、月給10分の2(1カ月)相当を自主返納する意向を示している)。
では、「週刊文春」から6月14日に接待に関する事実確認の取材を受けてなお、NTT側に費用を支払っていなかった平井氏が、なぜ6月21日になって支払ったのか。
「平井氏は自らが受けた接待は、大臣規範に抵触しないという姿勢を貫いています。しかし、このままNTTに費用を支払わなければ、赤石氏や向井氏が国家公務員倫理規程違反になることは明らか。そうした中、6月21日に『週刊文春』から赤石氏や向井氏を同席させていた事実についての質問状が届いたことで、慌ててNTTに問い合わせ、費用を支払ったのでしょう。それでも、会見では『割り勘できっちり払った』と“隠蔽工作”を図ったわけですが、国家公務員倫理審査会で審査する運びとなった。結局、最後は隠しきれず、赤石氏は懲戒処分を受けることになったのです」(内閣府関係者)
平井氏は、官僚を同席させたことについては「一定の責任がある」として閣僚給与1カ月分を自主返納するという。
国際基督教大学の西尾隆特任教授が指摘する。
「NTTグループが受注した五輪アプリの件などからも、平井氏にとって、同社が利害関係者であることは明らかです。加えて安倍政権以降、人事などで政による官の支配が加速している。平井氏の誘いだったとすれば、赤石氏や向井氏は断れないでしょう。大臣規範に照らしても、平井氏には懲戒処分を受けた赤石氏より重い責任があります」
平井氏は以下のように回答した。
2に続く
文春オンライン
9/29(水) 16:12
https://news.yahoo.co.jp/articles/72d0f34f1be46b5fa2b63303a12a8704b8153562