菅義偉(すが・よしひで)首相は16日、東京都の小池百合子知事とともに都内のホテルで記者会見した。首相が昨年9月の就任以降、小池氏と並んで記者団の質問に答えるのは初めて。かつては犬猿の仲とも呼ばれた2人だが、新型コロナウイルスの急速な感染拡大を受けて連携する姿をアピールした形だ。
記者会見に先立ち、首相は同ホテルで、ウイルスの働きを抑える2種類の中和抗体を組み合わせた「抗体カクテル療法」を視察。視察には小池氏も同席した。
会見で首相は「今後とも東京都としっかり連携しながら、すべての患者が必要な医療を受けられるように医療体制をしっかり構築したい」と強調。小池氏も「宿泊療養施設での抗体カクテル投与を首相の強いリーダーシップの下で展開することができた」と持ち上げてみせた。
首相は安倍晋三内閣の官房長官だった昨年7月、都内を中心に新型コロナの感染者数が再拡大したことを「圧倒的に東京問題と言っても過言ではない」と批判。これに対し小池氏が、首相が主導した政府の観光支援事業「Go To キャンペーン」を念頭に「冷房と暖房と両方かけることにどう対応していけばいいのか」とあてこすった。2人の不仲は菅政権発足後も続いていたとされる。
産経新聞
2021/8/16 15:59
https://www.sankei.com/article/20210816-NYYWE2QBB5N6DDYZCJRAOQDGCI/