森法務大臣の国会答弁について、野党側は、事実と異なるなどとして、政府・与党から誠意ある対応がないかぎり、すべての国会審議に応じられないという方針を確認し、与野党の間で協議が行われています。
森法務大臣は、今月9日の参議院予算委員会での東京高等検察庁の検事長の定年延長をめぐる質疑で、「東日本大震災の際に福島県いわき市から市民が避難していない中で検察官が最初に逃げた。身柄拘束をしている十数人を理由なく釈放した」などと答弁し、11日の委員会で、答弁は個人の見解で不適当だったとして撤回しました。
これについて立憲民主党など野党側は12日朝、国会対策委員長が会談し、森大臣の答弁は事実と異なり、検察をおとしめるものだとして、謝罪や撤回では済まされないという認識で一致しました。
そして、政府・与党から事実関係の確認など誠意ある対応がないかぎりは、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備え、「緊急事態宣言」を可能にする法案の採決が予定されている午後の衆議院本会議を含め、衆参両院のすべての審議に応じられないという方針を確認しました。
これを受けて自民党の森山国会対策委員長は、立憲民主党の安住国会対策委員長と会談し、対応を検討する考えを伝えるとともに、審議に応じるよう求めるなど、与野党の間で協議が行われています。
■自民 森山国対委員長「対応を考えたい」
自民党の森山国会対策委員長は記者団に対し、「きょうは極めて大事な審議日程もあるので、野党の理解もいただかなければならない。どういう解決方法があるか対応を考えていきたい。新型コロナウイルス感染症の問題は、間違いのない対応が大事で、それは野党も理解していると思うので、何としても解決の糸口を見いだしたい」と述べました。
そのうえで、森法務大臣の答弁について、「当時のことをもう1回よく振り返り、いろいろなことを検証する必要がある」と述べました。
■立民 安住国対委員長「政治責任を取るべきだ」
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し、「法務大臣が自分の部下とも言える組織を、震災当時の事実無根な話を持ち出して中傷している。単におわびしたのでは済まされず、政治責任を取るべきだ」と述べました。
NHKニュース
2020年3月12日 11時11分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200312/amp/k10012327291000.html