政府の個人情報保護委員会は13日、個人情報保護法の見直しに向けた大綱をまとめた。個人が望まないデータ利用の停止を企業に要請できる「利用停止権(使わせない権利)」を導入することが柱だ。個人のデータがインターネットを通して大量に集積し、嗜好や行動が本人に不利益になる形で分析されることを防ぐ。
意見募集を経て、法改正案を2020年の通常国会に提出する。
個人データの扱いを巡る主導権を企業側から個人に引き寄せる。個人の権利を侵害する恐れがある場合を念頭に、個人が企業にデータの利用や第三者提供の停止を請求できるようにする。企業に対しては、一定以上の個人情報を漏洩した際に、速やかに保護委に報告することを義務付ける。
保護委は個人が自らのデータがどう使われるかを把握できることを重視。人工知能(AI)で個人の特性を分析するといったデータの処理方法の公表を求める。差別を助長するようなデータベースや違法行為を誘発するためにデータを使ってはいけないことも明確にする。
8月には就職情報サイト「リクナビ」が、ウェブの閲覧履歴を記録した「クッキー」をもとに就活生の内定辞退率を分析し、企業に販売していた問題が発覚した。これを受けて、単体では個人が特定できなくても、クッキー情報を入手した企業側で個人と結びつけて使えば個人情報と同様に扱う必要があると整理。本人の同意を取ることを義務付ける。
ただ、個人データの活用は、必要な情報を入手しやすくなるなど消費者への利点も多い。個人を識別できないようにデータを加工すれば利用停止請求などの対象外とする「仮名化」制度の創設も明記。企業がビッグデータを生かしたサービスを展開しやすくする。
日本経済新聞
2019年12月13日 20:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53334450T11C19A2EA4000/
意見募集を経て、法改正案を2020年の通常国会に提出する。
個人データの扱いを巡る主導権を企業側から個人に引き寄せる。個人の権利を侵害する恐れがある場合を念頭に、個人が企業にデータの利用や第三者提供の停止を請求できるようにする。企業に対しては、一定以上の個人情報を漏洩した際に、速やかに保護委に報告することを義務付ける。
保護委は個人が自らのデータがどう使われるかを把握できることを重視。人工知能(AI)で個人の特性を分析するといったデータの処理方法の公表を求める。差別を助長するようなデータベースや違法行為を誘発するためにデータを使ってはいけないことも明確にする。
8月には就職情報サイト「リクナビ」が、ウェブの閲覧履歴を記録した「クッキー」をもとに就活生の内定辞退率を分析し、企業に販売していた問題が発覚した。これを受けて、単体では個人が特定できなくても、クッキー情報を入手した企業側で個人と結びつけて使えば個人情報と同様に扱う必要があると整理。本人の同意を取ることを義務付ける。
ただ、個人データの活用は、必要な情報を入手しやすくなるなど消費者への利点も多い。個人を識別できないようにデータを加工すれば利用停止請求などの対象外とする「仮名化」制度の創設も明記。企業がビッグデータを生かしたサービスを展開しやすくする。
日本経済新聞
2019年12月13日 20:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53334450T11C19A2EA4000/