http://chosonsinbo.com/jp/2019/10/yyy-79/
「全ての幼児に『幼児教育・保育の無償化』適用を求める院内集会」が10月18日に東京・衆議院第一議員会館で行われ、約150人が参加した。集会は「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」(連絡会)が主催した。
東京・衆議院第一議員会館で院内集会が行われた(写真はすべて金孝俊撮影)
会場には朝鮮幼稚園保護者をはじめとした同胞や日本人支援者のほか、兵庫県から外国人学校関係者らも訪れた。また立憲民主党の近藤昭一、初鹿明博、尾辻かな子衆議院議員と水岡俊一参議院議員、社会民主党の吉田忠智参議院議員、国民民主党の伊藤孝恵参議院議員が同席した。
集会ではまず、連絡会の宋恵淑代表が幼保無償化問題をめぐる一連の流れについて説明した。
宋代表は政府が▼多種多様な教育を行っている▼児童福祉法上、認可外保育施設にも該当しないという二つの理由から各種学校認可の外国人学校を制度の対象外としたことについて、子どもたちの学習権や人権を等しく保障するという権利意識や観点が欠落していると批難した。また「すべての子どもたちが健やかに成長するよう支援する」とした幼保無償化の基本理念について言及し「外国にルーツをもつ子どもたちは自国の言葉や風習に触れ、自身のアイデンティティーを育むことで健やかに成長していくのではないか。政府にはその視点をしっかりと持ってほしい」と話した。
兵庫県外国人学校協議会の愛新翼会長(写真)らが連帯のあいさつをした
集会では兵庫県外国人学校協議会の愛新翼会長(神戸中華同文学校名誉校長)とジェイ・バルク副会長(芦屋インターナショナルスクール校長)、平和フォーラムの藤本泰成共同代表が連帯のあいさつを行った。また国会議員らも発言し、幼保無償化制度が各種学校にも適用されるよう関係者とともに問題に取り組んでいく意向を示した。
つづいて、関東地方の朝鮮幼稚園の保護者や朝高生らが発言した。多くの保護者らは幼い子どもを抱えながら、自身の思いや各地での活動について話した。
東京第1初中保護者の車琴伶さんは「お金のためではなく、子どもたちを平等に扱ってほしいという思いでこの場に立っている。朝鮮幼稚園の園児たちと日本の幼稚園に通う園児たちとの『差』をなくしてほしい」と心境を吐露した。
子どもを抱えながら無償化適用を訴える東京第1の保護者たち
連絡会のメンバーで西東京第2初中保護者の趙丹さんは、この間の要請活動により国立市に在住する西東京第1初中の保護者に対し市から独自に補助金が支給されることになった経緯について述べ「すべての子どもたちを念頭におき、外国人学校に通う園児らも同様に尊重してくれたケースだ」とし、今後も積極的に活動を行っていきたいと話した。
幼保無償化問題と関連しては、11月2日に「朝鮮幼稚園はずしにNO! すべての幼児に教育・保育の権利を! 11.2全国集会&パレード」が東京・日比谷野外音楽堂で行われる。
東京第6の保護者は手作りのプラカード掲げて11月2日の集会参加を呼び掛けた
院内集会の最後に、東京第6初級保護者らが「なかまはずれにしないで」などと書かれた自作のプラカードを持って登壇。11月2日に多くの人たちが参加し、共に声を上げることを強く呼びかけた。
“フェアじゃない”
集会終了後に記者会見が開かれた。連絡会と兵庫県外国人学校協議会の関係者たちが出席した。
芦屋インターナショナルスクール校長を務める協議会のジェイ・バルク副会長は各種学校認可を放棄し、認可外施設として申出をしようという動きはないのかという記者からの質問に対し、「(各種学校は)国の認可施設と同等の幼児教育に関する審議をうけ、各種学校という認可をもらった。各種学校認可をもらっているのに、あえて無認可に転向すること自体がおかしいのではないか」と疑問を呈した。
集会終了後、記者会見が行われた
さらに、ほとんどのインターナショナルスクールの校長が日本語を十分に理解できないことについて触れ「学校関係者は(幼保無償化制度の)実態を知らないし、保護者もわかっていない」とし、施行前から理解し動き出した朝鮮学校関係者とは対照的に「私たちは寝耳に水の状態だった」と話した。
ジェイ・バルク校長は現在、インターナショナルスクールの校長たちから制度に対し「フェアじゃない」「正しくない」との声が多くあがっているとし、今後保護者たちが制度の実態を知ったとき「状況が悪化していくのではないか」と懸念を示した。
(文・丁用根、写真・金孝俊)
「全ての幼児に『幼児教育・保育の無償化』適用を求める院内集会」が10月18日に東京・衆議院第一議員会館で行われ、約150人が参加した。集会は「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」(連絡会)が主催した。
東京・衆議院第一議員会館で院内集会が行われた(写真はすべて金孝俊撮影)
会場には朝鮮幼稚園保護者をはじめとした同胞や日本人支援者のほか、兵庫県から外国人学校関係者らも訪れた。また立憲民主党の近藤昭一、初鹿明博、尾辻かな子衆議院議員と水岡俊一参議院議員、社会民主党の吉田忠智参議院議員、国民民主党の伊藤孝恵参議院議員が同席した。
集会ではまず、連絡会の宋恵淑代表が幼保無償化問題をめぐる一連の流れについて説明した。
宋代表は政府が▼多種多様な教育を行っている▼児童福祉法上、認可外保育施設にも該当しないという二つの理由から各種学校認可の外国人学校を制度の対象外としたことについて、子どもたちの学習権や人権を等しく保障するという権利意識や観点が欠落していると批難した。また「すべての子どもたちが健やかに成長するよう支援する」とした幼保無償化の基本理念について言及し「外国にルーツをもつ子どもたちは自国の言葉や風習に触れ、自身のアイデンティティーを育むことで健やかに成長していくのではないか。政府にはその視点をしっかりと持ってほしい」と話した。
兵庫県外国人学校協議会の愛新翼会長(写真)らが連帯のあいさつをした
集会では兵庫県外国人学校協議会の愛新翼会長(神戸中華同文学校名誉校長)とジェイ・バルク副会長(芦屋インターナショナルスクール校長)、平和フォーラムの藤本泰成共同代表が連帯のあいさつを行った。また国会議員らも発言し、幼保無償化制度が各種学校にも適用されるよう関係者とともに問題に取り組んでいく意向を示した。
つづいて、関東地方の朝鮮幼稚園の保護者や朝高生らが発言した。多くの保護者らは幼い子どもを抱えながら、自身の思いや各地での活動について話した。
東京第1初中保護者の車琴伶さんは「お金のためではなく、子どもたちを平等に扱ってほしいという思いでこの場に立っている。朝鮮幼稚園の園児たちと日本の幼稚園に通う園児たちとの『差』をなくしてほしい」と心境を吐露した。
子どもを抱えながら無償化適用を訴える東京第1の保護者たち
連絡会のメンバーで西東京第2初中保護者の趙丹さんは、この間の要請活動により国立市に在住する西東京第1初中の保護者に対し市から独自に補助金が支給されることになった経緯について述べ「すべての子どもたちを念頭におき、外国人学校に通う園児らも同様に尊重してくれたケースだ」とし、今後も積極的に活動を行っていきたいと話した。
幼保無償化問題と関連しては、11月2日に「朝鮮幼稚園はずしにNO! すべての幼児に教育・保育の権利を! 11.2全国集会&パレード」が東京・日比谷野外音楽堂で行われる。
東京第6の保護者は手作りのプラカード掲げて11月2日の集会参加を呼び掛けた
院内集会の最後に、東京第6初級保護者らが「なかまはずれにしないで」などと書かれた自作のプラカードを持って登壇。11月2日に多くの人たちが参加し、共に声を上げることを強く呼びかけた。
“フェアじゃない”
集会終了後に記者会見が開かれた。連絡会と兵庫県外国人学校協議会の関係者たちが出席した。
芦屋インターナショナルスクール校長を務める協議会のジェイ・バルク副会長は各種学校認可を放棄し、認可外施設として申出をしようという動きはないのかという記者からの質問に対し、「(各種学校は)国の認可施設と同等の幼児教育に関する審議をうけ、各種学校という認可をもらった。各種学校認可をもらっているのに、あえて無認可に転向すること自体がおかしいのではないか」と疑問を呈した。
集会終了後、記者会見が行われた
さらに、ほとんどのインターナショナルスクールの校長が日本語を十分に理解できないことについて触れ「学校関係者は(幼保無償化制度の)実態を知らないし、保護者もわかっていない」とし、施行前から理解し動き出した朝鮮学校関係者とは対照的に「私たちは寝耳に水の状態だった」と話した。
ジェイ・バルク校長は現在、インターナショナルスクールの校長たちから制度に対し「フェアじゃない」「正しくない」との声が多くあがっているとし、今後保護者たちが制度の実態を知ったとき「状況が悪化していくのではないか」と懸念を示した。
(文・丁用根、写真・金孝俊)