https://www.excite.co.jp/news/article/Mainichi_20190606k0000m010340000c/
北方領土を戦争で奪還する趣旨の発言をした丸山穂高衆院議員に関し、当初は対応が分かれた与野党が6日の衆院本会議で「糾弾決議」を全会一致で可決した背景には、「戦争」発言以外の悪質な言動があった。
議員辞職勧告決議案を出した野党に対し、自民党は「発言だけで議員の身分を問うべきではない」と慎重で、辞職までは求めない「けん責決議案」提出にとどめた。だが5月23日発売の週刊誌報道で、国後島滞在中の丸山氏が泥酔して「女を買いたい」と言い出し、禁じられている宿舎からの外出を図り、止める政府職員に「国会議員には不逮捕特権がある」と言い放っていたことが判明した。
外出した丸山氏がロシア官憲に拘束されれば、ロシアの主権に基づく法執行を認めるかどうかの外交問題に発展する。自民党の対応は一変した。大島理森衆院議長も、自民党に丸山氏本人を聴取するよう助言。23日の衆院議院運営委員会の理事会で、自民から丸山氏の聴取を提案した。野党からは「急展開だ。与党が呼ぼうと言い出すとは思わなかった」との声が漏れた。
だが丸山氏は理事会を欠席。6月3日には与野党の動きを「人民裁判的」と批判する弁明書を提出し、「反省よりも反論が強い感じで、なおさら心証を悪くした」(野田佳彦前首相)。自民党は糾弾決議案提出に動き、野党も受け入れた。
立憲民主党の辻元清美国対委員長は6日の党会合で「事実上の辞職勧告決議案だ。前代未聞の言動で、前代未聞のこの決議が(議題に)あがった」と強調した。公明党の斉藤鉄夫幹事長も「決議の趣旨を本人が自覚すべきだ」と記者団に語り、暗に辞職を求めた。自民党でも伊吹文明元衆院議長が「尊敬に値する人だと思われて初めて権威は保たれる。知識も十分じゃない者が『不逮捕特権』と言ったって笑われるだけだ」と二階派の会合で語った。
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