ロシアのメドベージェフ首相は、北方四島と千島列島の観光インフラ整備を、ロシア主導で進めるよう副首相に指示し、北方領土での共同経済活動として開発を行いたい日本をけん制するねらいがあると見られます。
ロシアの首都モスクワで20日、メドベージェフ首相や極東地域を担当するトルトネフ副首相などが出席し、極東地域の開発について話し合う会議が行われました。
この中で、北方四島と、その北に連なる千島列島について「つい最近まで、ホテルもなかったが、今は変化がうまれている。今後は、観光インフラを整備し、国内外の観光客の関心をひきつけていきたい」と述べ、開発を急ぐよう指示しました。
北方四島の観光開発をめぐっては日本政府は、現在、両政府が協議している北方四島での共同経済活動で進めたい考えですが、ロシアはこのところ独自に開発を加速していて立場の隔たりが目立っています。
ロシアとしては対日強硬派として知られるメドベージェフ首相が北方四島の開発を、ロシア主導で進めるよう指示することで、来月予定されているプーチン大統領の訪日を前に日本をけん制するねらいがあると見られます。
NHKニュース
2019年5月21日 7時00分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190521/amp/k10011923181000.html