安倍晋三首相が消費税率10%への増税前の商品値上げを推奨していることを国会で認めました。「駆け込み需要を防ぐため」に増税前に商品の価格を引き上げておくという欧州企業の「工夫」を絶賛した上で、「わが国でもそういう対応をとっている」と答弁したのです(20日、参院総務委員会)。この春、業界団体ごとに主要企業が横並びで飲食料品を値上げする事態となっています。この異常な一斉値上げの音頭を取っているのは安倍政権であることが明白になりました。(清水渡、杉本恒如)
■政府と財界一体
首相の見解をただしたのは日本共産党の山下芳生参院議員です。牛乳や即席麺、清涼飲料、冷凍食品などの値上げ発表が相次いでいると指摘。政府が昨年11月に「消費税率の引上げに伴う価格設定」についてのガイドライン(指針=別項)を出して増税前の値上げを推奨しているのは「消費者に大打撃」になると批判しました。安倍首相は次のように答え、「国」が増税前値上げの旗振り役を務めてきたことを全面的に認めました。
「(欧州では増税前の)駆け込み需要を防ぐためにある意味価格を引き上げ、そして消費税が上がった後もその価格を維持することによって消費が落ちないような、そういう工夫をそれぞれ(企業が)自主的な判断で行っているということに鑑み、わが国でもそういう対応をとっている」
本紙の調べでは▽日本乳業協会8社が4月1日に牛乳などを値上げ▽日本アイスクリーム協会5社が3月1日に値上げ▽日本即席食品工業協会10社が6月1日に即席麺などを値上げ▽全国清涼飲料連合会4社が5月1日にペットボトル飲料を値上げ▽日本冷凍食品協会2社が3月1日に値上げ―という業界横並びの一斉値上げが発表されています。各業界団体は会員企業に対して政府の価格改定指針を周知したことを認めています。
経団連は昨年12月、会員企業に「お知らせ」を出し、政府指針の「趣旨を踏まえた対応」を求めました。その際、関係省庁からの「協力依頼」文書も公表しました。文書は「駆込み需要・反動減といった経済変動を可能な限り抑制する観点から」政府指針を周知するよう「格別の」協力を求めています。
政府・財界が一体になって消費税増税前の一斉値上げを推進しているのです。
■消費税増税と二重負担
値上げが発表されている飲食料品は、消費税増税が強行されても、税率が8%に据え置かれる可能性が高いものばかりです。値上げ幅は2〜20%にも及びます。政府指針が便乗値上げを促した疑いがあります。
飲食料品の大幅値上げと、それ以外の商品の消費税増税という、二重の負担増が消費者に襲いかかります。
内閣府の景気ウオッチャー調査(2月調査)によると、多くの事業者が値上げの影響を不安視しています。
「今春より各食品メーカーが値上げを発表する。閉塞(へいそく)感は強まるばかりである」(コンビニ店舗管理)
「食料品等の値上げが報道されており、商店街の客層である高齢年金生活者の消費が一段と落ち込むことを危惧している」(商店街代表者)
「生活必需品の値上げが止まらない。収入は増えないのに、物価だけが上がっていく」(スーパー開発担当)
「いろいろな商品で値上げがあり、サービス業にも影響が出るとみている。特に、宴会等は客が若干控え気味になるのではないか」(都市型ホテル営業)
物価上昇をめざすアベノミクスが最悪の形で暮らしと営業を壊そうとしています。
続きはWebで
しんぶん赤旗
2019年3月29日(金)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2019-03-29/2019032901_01_1.html
■政府と財界一体
首相の見解をただしたのは日本共産党の山下芳生参院議員です。牛乳や即席麺、清涼飲料、冷凍食品などの値上げ発表が相次いでいると指摘。政府が昨年11月に「消費税率の引上げに伴う価格設定」についてのガイドライン(指針=別項)を出して増税前の値上げを推奨しているのは「消費者に大打撃」になると批判しました。安倍首相は次のように答え、「国」が増税前値上げの旗振り役を務めてきたことを全面的に認めました。
「(欧州では増税前の)駆け込み需要を防ぐためにある意味価格を引き上げ、そして消費税が上がった後もその価格を維持することによって消費が落ちないような、そういう工夫をそれぞれ(企業が)自主的な判断で行っているということに鑑み、わが国でもそういう対応をとっている」
本紙の調べでは▽日本乳業協会8社が4月1日に牛乳などを値上げ▽日本アイスクリーム協会5社が3月1日に値上げ▽日本即席食品工業協会10社が6月1日に即席麺などを値上げ▽全国清涼飲料連合会4社が5月1日にペットボトル飲料を値上げ▽日本冷凍食品協会2社が3月1日に値上げ―という業界横並びの一斉値上げが発表されています。各業界団体は会員企業に対して政府の価格改定指針を周知したことを認めています。
経団連は昨年12月、会員企業に「お知らせ」を出し、政府指針の「趣旨を踏まえた対応」を求めました。その際、関係省庁からの「協力依頼」文書も公表しました。文書は「駆込み需要・反動減といった経済変動を可能な限り抑制する観点から」政府指針を周知するよう「格別の」協力を求めています。
政府・財界が一体になって消費税増税前の一斉値上げを推進しているのです。
■消費税増税と二重負担
値上げが発表されている飲食料品は、消費税増税が強行されても、税率が8%に据え置かれる可能性が高いものばかりです。値上げ幅は2〜20%にも及びます。政府指針が便乗値上げを促した疑いがあります。
飲食料品の大幅値上げと、それ以外の商品の消費税増税という、二重の負担増が消費者に襲いかかります。
内閣府の景気ウオッチャー調査(2月調査)によると、多くの事業者が値上げの影響を不安視しています。
「今春より各食品メーカーが値上げを発表する。閉塞(へいそく)感は強まるばかりである」(コンビニ店舗管理)
「食料品等の値上げが報道されており、商店街の客層である高齢年金生活者の消費が一段と落ち込むことを危惧している」(商店街代表者)
「生活必需品の値上げが止まらない。収入は増えないのに、物価だけが上がっていく」(スーパー開発担当)
「いろいろな商品で値上げがあり、サービス業にも影響が出るとみている。特に、宴会等は客が若干控え気味になるのではないか」(都市型ホテル営業)
物価上昇をめざすアベノミクスが最悪の形で暮らしと営業を壊そうとしています。
続きはWebで
しんぶん赤旗
2019年3月29日(金)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2019-03-29/2019032901_01_1.html