厚労省検討会「実質賃金算出は困難」の案 野党側から批判
「毎月勤労統計調査」をめぐり、野党側が求めている方法で実質賃金の伸び率を算出すべきか話し合う厚生労働省の検討会は「算出は困難だ」とする案をまとめました。この検討会の議論に対しては、時間稼ぎにほかならないという批判も上がっています。
「毎月勤労統計調査」をめぐっては、調査対象となる事業所の入れ替えが去年行われたことから、野党側は実質賃金の伸び率を正確に把握するには前の年も調査対象となった「共通事業所」と呼ばれる事業所だけで算出すべきだと求めています。
厚生労働省は、統計の専門家らによる検討会を設置して算出や公表が可能か検討を進めていますが、19日、検討会が中間的な案をまとめました。
案では「算出は困難だ」としていて、その理由として「共通事業所」とされる事業所は毎年、異なるため、経年比較になじまないなどとしています。
また、最終的な結論をまとめる時期についての見通しは示さず、今後も検討を続けるとしています。
「共通事業所」だけで賃金の伸び率を機械的に算出することは可能で、すでに野党側が独自に試算していますが、去年の実質賃金の伸びは大半の月で前の年に比べマイナスだったとしています。
この検討会の議論に対しては、野党側から結論の先延ばしで時間稼ぎにほかならないという批判も上がっています。
NHKニュース
2019年3月20日 4時32分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190320/amp/k10011853941000.html