金持ちを優遇し、庶民はイジメ抜く。アベ政治の薄汚い本性が透けて見える。株式の売却益や配当に対する金融所得課税について、政府・与党が2019年度税制改正での引き上げを見送る方針を固めたことだ。
来年10月の消費税率10%への引き上げでは、食料品などの課税を8%に据え置く軽減税率が導入されるため、約1兆円の減収が見込まれている。減収分について、所得税約900億円、たばこ税約2400億円の増収分を充てる案が出ているが、約6000億円分の穴埋めのメドは立っていない。
このため、政府・与党は昨年末にまとめた税制改正で、金融所得課税の見直しに言及。与党税制改正大綱でも「税負担の公平性を担保する観点から総合的に検討する」と明記していた。
株式売却益や配当への課税は現在、一律20%。これを5%引き上げるだけで2500億円程度の増収になるという。ところが、株価への影響を懸念する官邸が猛反対し、金融所得課税が見送られることになったというからフザケている。
野村総合研究所(NRI)の調査によると、2015年時点で純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、5億円以上の「超富裕層」は121.7万世帯で、13年と比べて20%、35.2%それぞれ増加。「富裕、超富裕層」の純金融資産保有額は、全世帯合計分(1400兆円)の2割近くの272兆円に上り、13年から実に31兆円も増えている。
NRIは「富裕、超富裕層」の金融資産が増えた理由として〈安倍政権下の経済政策(いわゆるアベノミクス)による株価上昇〉を挙げている。つまり、「富裕、超富裕層」はアベノミクスの“恩恵”を受けているのだから税率を引き上げるのは当然。低所得者ほど税負担が重くなる逆進性の高い消費税率を引き上げるのだから、なおさらだ。埼玉学園大学経済経営学部の相沢幸悦教授がこう言う。
「いわゆるアベノミクスによって株価が急上昇し、富裕層はさんざん儲けているワケですから、応分の税負担を求めるべき。今のように、どれだけ儲かっても2割負担でOKでは、税の公正性、公平性という観点から見てもおかしいでしょう」
メディアは消費増税に伴う商品券導入やポイント還元なんて愚策ばかり報じていないで、少しは金持ち優遇の問題点を取り上げたらどうなのか。
日刊ゲンダイ
2018/11/02 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240748/
来年10月の消費税率10%への引き上げでは、食料品などの課税を8%に据え置く軽減税率が導入されるため、約1兆円の減収が見込まれている。減収分について、所得税約900億円、たばこ税約2400億円の増収分を充てる案が出ているが、約6000億円分の穴埋めのメドは立っていない。
このため、政府・与党は昨年末にまとめた税制改正で、金融所得課税の見直しに言及。与党税制改正大綱でも「税負担の公平性を担保する観点から総合的に検討する」と明記していた。
株式売却益や配当への課税は現在、一律20%。これを5%引き上げるだけで2500億円程度の増収になるという。ところが、株価への影響を懸念する官邸が猛反対し、金融所得課税が見送られることになったというからフザケている。
野村総合研究所(NRI)の調査によると、2015年時点で純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、5億円以上の「超富裕層」は121.7万世帯で、13年と比べて20%、35.2%それぞれ増加。「富裕、超富裕層」の純金融資産保有額は、全世帯合計分(1400兆円)の2割近くの272兆円に上り、13年から実に31兆円も増えている。
NRIは「富裕、超富裕層」の金融資産が増えた理由として〈安倍政権下の経済政策(いわゆるアベノミクス)による株価上昇〉を挙げている。つまり、「富裕、超富裕層」はアベノミクスの“恩恵”を受けているのだから税率を引き上げるのは当然。低所得者ほど税負担が重くなる逆進性の高い消費税率を引き上げるのだから、なおさらだ。埼玉学園大学経済経営学部の相沢幸悦教授がこう言う。
「いわゆるアベノミクスによって株価が急上昇し、富裕層はさんざん儲けているワケですから、応分の税負担を求めるべき。今のように、どれだけ儲かっても2割負担でOKでは、税の公正性、公平性という観点から見てもおかしいでしょう」
メディアは消費増税に伴う商品券導入やポイント還元なんて愚策ばかり報じていないで、少しは金持ち優遇の問題点を取り上げたらどうなのか。
日刊ゲンダイ
2018/11/02 06:00
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/240748/