30日の投開票に向け、大激戦となっている沖縄県知事選。佐喜真淳前宜野湾市長(54)を推薦する自民と公明は、菅官房長官らを現地入りさせテコ入れを図っているが、最大の争点である辺野古の米軍新基地建設にはほぼノータッチ。代わりに佐喜真陣営が積極的に掲げているのが、なぜか「携帯電話料金の4割値下げ」である。
佐喜真氏は自身の公約に、「国と連携して携帯電話の利用料の4割削減を求めていきます」と明記。加えて、佐喜真氏の選挙母体である「沖縄の未来をひらく県民の会」も、県民が佐喜真氏に実現して欲しい政策の一つとして、「携帯電話の料金(通話代やパケット代)を4割削減させます!」と盛り込んでいるのだ。
本をただせば、庶民受けしそうなこの政策をブチあげた張本人は菅長官だ。実際、菅長官は現地入りした16日の街頭演説で、15分の演説のうち実に4分半を「携帯電話料金値下げ」の話に費やし、「総務省、公正取引委員会、消費者庁の3者で協力しながら、利用者の皆さまにとって分かりやすい、納得できる料金でサービスを行うことができるように全力で取り組む」などと熱弁を振るった。
「知事選と関係ないだろう」とツッコミたくなるが、携帯料金値下げが強調される裏には佐喜真陣営のなりふり構わぬ選挙戦略が見え隠れする。現地で取材するジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「16日の街頭演説の中身は、これまでの安倍政権の『成果』と携帯料金値下げでした。佐喜真さんに実現して欲しい5項目の政策が書かれたパネルが用意され、県民はそのパネルにシールを貼ってアンケートに参加。トップは案の定、携帯料金値下げの政策でした。経済政策を強調し、辺野古基地移設を知事選の争点にしたくない陣営の思惑通りの結果といえるでしょう。しかし、このようなイメージアップ戦略を図っても、携帯料金の値下げが県民の共感をどこまで得るかは疑問です」
仮に佐喜真氏が当選しても、知事には携帯電話の料金を値下げする権限などない。実現されるかどうかも分からない「値下げ」というアメにだまされてはダメだ。
日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237746/
佐喜真氏は自身の公約に、「国と連携して携帯電話の利用料の4割削減を求めていきます」と明記。加えて、佐喜真氏の選挙母体である「沖縄の未来をひらく県民の会」も、県民が佐喜真氏に実現して欲しい政策の一つとして、「携帯電話の料金(通話代やパケット代)を4割削減させます!」と盛り込んでいるのだ。
本をただせば、庶民受けしそうなこの政策をブチあげた張本人は菅長官だ。実際、菅長官は現地入りした16日の街頭演説で、15分の演説のうち実に4分半を「携帯電話料金値下げ」の話に費やし、「総務省、公正取引委員会、消費者庁の3者で協力しながら、利用者の皆さまにとって分かりやすい、納得できる料金でサービスを行うことができるように全力で取り組む」などと熱弁を振るった。
「知事選と関係ないだろう」とツッコミたくなるが、携帯料金値下げが強調される裏には佐喜真陣営のなりふり構わぬ選挙戦略が見え隠れする。現地で取材するジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「16日の街頭演説の中身は、これまでの安倍政権の『成果』と携帯料金値下げでした。佐喜真さんに実現して欲しい5項目の政策が書かれたパネルが用意され、県民はそのパネルにシールを貼ってアンケートに参加。トップは案の定、携帯料金値下げの政策でした。経済政策を強調し、辺野古基地移設を知事選の争点にしたくない陣営の思惑通りの結果といえるでしょう。しかし、このようなイメージアップ戦略を図っても、携帯料金の値下げが県民の共感をどこまで得るかは疑問です」
仮に佐喜真氏が当選しても、知事には携帯電話の料金を値下げする権限などない。実現されるかどうかも分からない「値下げ」というアメにだまされてはダメだ。
日刊ゲンダイ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/237746/