玄海原発3号機が再稼働 離島住民の避難が課題
3月23日 12時13分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180323/k10011375711000.html?utm_int=news_contents_news-main_005
佐賀県にある玄海原子力発電所3号機は23日午前、原子炉を起動し、7年3か月ぶりに再稼働しました。玄海原発の周辺には合わせて20の離島があり、事故が起きた場合、住民をどう避難させるかが課題になっています。
佐賀県玄海町にある九州電力・玄海原発3号機では23日午前11時から核分裂反応を抑える制御棒を原子炉から引き抜く操作が行われ、原子炉を起動し、7年3か月ぶりに再稼働しました。
3号機は23日夜遅くから24日未明にかけて核分裂反応が連続する「臨界」に達する見通しで、25日には発電と送電を始め、来月下旬に営業運転に入る計画です。
また、3号機では使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出しウランと混ぜた「MOX燃料」を使う「プルサーマル」が行われます。
玄海原発は玄界灘に面し、半径30キロの範囲には長崎県と福岡県も含め合わせて20の離島があります。
これは全国の原発の周辺では最も多く、天候が悪く波が高いときに事故が起きた場合、住民をどう避難させるかが課題になっています。
玄海原発は4号機もことし5月に再稼働される予定です。
九州電力「安全確保最優先に進める」
九州電力は「原子炉の起動は再稼働の工程の重要なステップの一つであると認識しています。引き続き国の検査に真摯(しんし)に取り組むとともに、工程にとらわれることなく安全確保を最優先に慎重に進めてまいります」とするコメントを出しました。
◆世耕経産相「安全第一で対応を」
世耕経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で「九州エリアの供給予備率の改善などの効果が見込まれるうえ、核燃料サイクルの推進という観点からも意義があると考えている。いずれにしても九州電力には安全第一で対応してほしい」と述べました。
◆使用済み核燃料の保管方法も課題
九州電力は、玄海原発3号機と4号機から出る使用済み核燃料を貯蔵するプールの容量が今後足りなくなる可能性があるとして、プールの中にある核燃料の間隔を狭める方式と、核燃料をプールから取り出して金属製の容器で保管する方式の2つの方法の採用を目指し、国に申請する方針です。
原発は、およそ13か月ごとの定期検査の際、使い終わった使用済み核燃料を新たな核燃料と交換し、プールで保管します。
玄海原発3号機の使用済み核燃料を貯蔵するプールでは容量の74%にあたる核燃料582体が保管されているほか、5月に再稼働が計画されている4号機のプールでは1080体の核燃料が保管され、容量の87%を占めています。
このため3号機と4号機が再稼働し、原発の外へ核燃料を運び出すことができなければ、5年から6年後にプールの容量が足りなくなる可能性があります。
そうしたことから九州電力は、プールの中にある核燃料の間隔を狭めてより多く保管できるようにする「リラッキング」と呼ばれる方式と、核燃料をプールから取り出して金属製の容器で保管する「乾式貯蔵」という方式の2つの方法の採用を目指し、原子力規制庁に申請する方針です。
使用済み核燃料は本来、青森県にある再処理工場に運ばれ、ウランとプルトニウムを取り出し、原発で再び使えるように再処理される計画ですが、再処理工場は完成の時期がたびたび延期され、計画通りに進んでいません。
このため九州電力は、原発の稼働と平行して核燃料の保管方法についても対応を急ぎたいとしています。
3月23日 12時13分 NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180323/k10011375711000.html?utm_int=news_contents_news-main_005
佐賀県にある玄海原子力発電所3号機は23日午前、原子炉を起動し、7年3か月ぶりに再稼働しました。玄海原発の周辺には合わせて20の離島があり、事故が起きた場合、住民をどう避難させるかが課題になっています。
佐賀県玄海町にある九州電力・玄海原発3号機では23日午前11時から核分裂反応を抑える制御棒を原子炉から引き抜く操作が行われ、原子炉を起動し、7年3か月ぶりに再稼働しました。
3号機は23日夜遅くから24日未明にかけて核分裂反応が連続する「臨界」に達する見通しで、25日には発電と送電を始め、来月下旬に営業運転に入る計画です。
また、3号機では使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出しウランと混ぜた「MOX燃料」を使う「プルサーマル」が行われます。
玄海原発は玄界灘に面し、半径30キロの範囲には長崎県と福岡県も含め合わせて20の離島があります。
これは全国の原発の周辺では最も多く、天候が悪く波が高いときに事故が起きた場合、住民をどう避難させるかが課題になっています。
玄海原発は4号機もことし5月に再稼働される予定です。
九州電力「安全確保最優先に進める」
九州電力は「原子炉の起動は再稼働の工程の重要なステップの一つであると認識しています。引き続き国の検査に真摯(しんし)に取り組むとともに、工程にとらわれることなく安全確保を最優先に慎重に進めてまいります」とするコメントを出しました。
◆世耕経産相「安全第一で対応を」
世耕経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で「九州エリアの供給予備率の改善などの効果が見込まれるうえ、核燃料サイクルの推進という観点からも意義があると考えている。いずれにしても九州電力には安全第一で対応してほしい」と述べました。
◆使用済み核燃料の保管方法も課題
九州電力は、玄海原発3号機と4号機から出る使用済み核燃料を貯蔵するプールの容量が今後足りなくなる可能性があるとして、プールの中にある核燃料の間隔を狭める方式と、核燃料をプールから取り出して金属製の容器で保管する方式の2つの方法の採用を目指し、国に申請する方針です。
原発は、およそ13か月ごとの定期検査の際、使い終わった使用済み核燃料を新たな核燃料と交換し、プールで保管します。
玄海原発3号機の使用済み核燃料を貯蔵するプールでは容量の74%にあたる核燃料582体が保管されているほか、5月に再稼働が計画されている4号機のプールでは1080体の核燃料が保管され、容量の87%を占めています。
このため3号機と4号機が再稼働し、原発の外へ核燃料を運び出すことができなければ、5年から6年後にプールの容量が足りなくなる可能性があります。
そうしたことから九州電力は、プールの中にある核燃料の間隔を狭めてより多く保管できるようにする「リラッキング」と呼ばれる方式と、核燃料をプールから取り出して金属製の容器で保管する「乾式貯蔵」という方式の2つの方法の採用を目指し、原子力規制庁に申請する方針です。
使用済み核燃料は本来、青森県にある再処理工場に運ばれ、ウランとプルトニウムを取り出し、原発で再び使えるように再処理される計画ですが、再処理工場は完成の時期がたびたび延期され、計画通りに進んでいません。
このため九州電力は、原発の稼働と平行して核燃料の保管方法についても対応を急ぎたいとしています。