福島で「周産期死亡」増、医学誌掲載論文の衝撃
http://www.elneos.co.jp/1704sc1.html#Anchor-016 東日本大震災による福島原発事故から6年。原発周辺の立ち入り禁止も多くが解除されたが、今後心配されるのが
放射線被曝の健康への影響だ。子供の甲状腺がんの増加が次第にはっきりしてきたことに加え、医療専門家向けの
医学雑誌「メディシーン」のインターネット版に発表された論文が衝撃的だ。
題名は「日本における死産、周産期死亡および乳幼児の死亡─2001年から2015年にかけてのトレンド分析」。
大阪の小児科医らのグループ「医療問題研究会」のメンバーとドイツの生物統計学者ハーゲン・シュアブ博士らが
共同で発表した。
論文は、厚労省の統計を基に分析したところ、01年から順調に減少していた妊娠22週から生後1週までの周産期の
死亡率が、原発事故から10カ月後の12年から事故周辺地域で突然増加しているという。放射線被曝が強い福島と
その近隣5県(岩手・宮城・茨城・栃木・群馬)では、15.6%も死亡率が上昇。その傾向は14年まで続き、15年以降は
減少に転じている。つまり、事故10カ月後から2年間、流産や出産直後の赤ん坊の死亡率が上がったということだ。
日本全体の周産期死亡は若干の増減はあるものの、年々減少してきた。それが、一定の期間だけ15.5%以上も
増加するというのは、医学統計上明らかな変異があることを意味する。千葉・東京・埼玉では6.8%の増加がみられ、
その他の地域では増加していないことから、周産期死亡の主な原因に放射線被曝が考えられると結論付けている。
チェルノブイリ後のドイツなどの調査でも、同様な結果が認められたという。
この現象は、津波や地震による影響がなくなる10カ月後から起きており、安易な楽観論は禁物だとわかる。
厚労省や政府は福島の健康被害にもっと真剣に向き合うべきではないか。