http://www.sankei.com/premium/news/180124/prm1801240007-n1.html
民進、希望両党による統一会派構想が頓挫したことを受け、民進党の大塚耕平代表(58)ら執行部の求心力が低下している。希望の党との交渉が先行したことで党内は分裂含みとなり、交渉の主導権を岡田克也常任顧問(64)が代表を務める衆院会派「無所属の会」に奪われる始末だ。最新の世論調査では支持率がついに1%を割り込み、青息吐息の状態で通常国会を迎えることになった。
「両院議員総会は無効です!」
1月17日の両院総会の冒頭、結成に反対する小西洋之参院議員(45)は大塚氏のあいさつを遮って、こう声を張り上げた。食い下がる小西氏を足立信也政調会長(60)がなだめると、小西氏が「黙ってろ!」と言い放ち、足立氏が「なんだよ」と口論になる一幕もあり、おなじみのドタバタ劇がこの日も展開された。
報道陣が退出した後、非公開で2時間半にわたって対応を協議した結果、両院総会の確認事項として次のような文書をまとめた。
「3党統一会派を目指すことを前提としつつ、希望の党との今日までの統一会派の交渉の取り組みと結論を『了』として、今後の具体的諸条件の調整については無所属の会および執行部の協議に委ねる。立憲民主党とは引き続き粘り強く交渉を続けていく」
要するに、希望の党との交渉はよく頑張ったが、会派結成は時期尚早なので立憲民主党と交渉しましょう−という内容だ。
この2日前、民進党の増子輝彦(70)、希望の党の古川元久(52)両幹事長が会派結成の前提となる基本政策の合意文書を交わした。現行の安全保障関連法を実質的に容認してきた希望の党は、同法の白紙化を唱える民進党側に配慮し「違憲と指摘される部分を削除することを含め、必要な見直しを行う」との文言を文書に盛り込んで歩み寄りをみせた。
「ここまできて『会派を組まない』なんて言われたら『はれのひ』問題みたいなものだ」
希望の党幹部は、成人式に突然雲隠れした振り袖の販売・レンタル業者を引き合いに冗談交じりに語っていたが、わずか2日で執行部間の合意が覆され、赤っ恥をかくことになった。
交渉決裂について大塚氏は、衆院選で希望の党に「排除」された岡田氏らを念頭に「感情的なしこりが相当根深いことが分かった」と述べた。だが、分裂の経緯を考えれば、感情的反発が生じることは目に見えていたはずだ。執行部が党内情勢を見誤り、「連携ありき」で結論を急いだことが一番の要因だったのではないか。
今後の統一会派の協議は、執行部と無所属の会に委ねられ、立憲民主党との交渉が本格化する見通しだ。安住淳元財務相(56)は総会後、記者団に「希望の党との話は衆院を置き去りにして無理があった。執行部もご苦労さんだったけど、ちょっと引き取らせてもらう」と話している。
一連の動きに対して国民の視線は冷ややかだ。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が20、21両日に実施した合同世論調査で、希望の党と民進党の統一会派結成が頓挫したことに関し「会派を組むべきだった」との回答は15・7%にとどまり、「会派見送りは当然」が73・6%にものぼった。
そして民進党の支持率は、前回調査の1・8%から0・7%に落ち込み、前回比0・9ポイント増の14・8%だった立憲民主党に大きく水をあけられた。民進党は希望の党(1・3%)よりも低く、共産党(3・4%)、日本維新の会(3・0%)の後塵を拝し、国会議員数一桁の自由党(0・6%)、社民党(0・5%)をわずかに上回ったに過ぎない。
民進党籍の国会議員は50人以上いるが、毎日新聞の今月の世論調査では2回連続で「0%」というありさまだ。5年近く前まで政権を担っていた旧民主党時代からの転落は甚だしい。
そもそも希望の党は衆院選で、民進党の理念、政策を否定する公約を打ち出した政党だった。政策置き去りの野合を目指す民進党は支持できないというのが調査結果から読み取れる。
大塚氏は通常国会が召集された22日、世論調査について「支持率低下は大変残念だ」と述べた上で、「衆院選で希望の党で立候補せざるを得なかった(元民進党の)皆さんが元の立ち位置に戻り、連携できる道を探っている。この点について国民に理解頂けるよう努力したい」と語り、引き続き3党統一会派を目指す考えを強調した。
(略)
民進、希望両党による統一会派構想が頓挫したことを受け、民進党の大塚耕平代表(58)ら執行部の求心力が低下している。希望の党との交渉が先行したことで党内は分裂含みとなり、交渉の主導権を岡田克也常任顧問(64)が代表を務める衆院会派「無所属の会」に奪われる始末だ。最新の世論調査では支持率がついに1%を割り込み、青息吐息の状態で通常国会を迎えることになった。
「両院議員総会は無効です!」
1月17日の両院総会の冒頭、結成に反対する小西洋之参院議員(45)は大塚氏のあいさつを遮って、こう声を張り上げた。食い下がる小西氏を足立信也政調会長(60)がなだめると、小西氏が「黙ってろ!」と言い放ち、足立氏が「なんだよ」と口論になる一幕もあり、おなじみのドタバタ劇がこの日も展開された。
報道陣が退出した後、非公開で2時間半にわたって対応を協議した結果、両院総会の確認事項として次のような文書をまとめた。
「3党統一会派を目指すことを前提としつつ、希望の党との今日までの統一会派の交渉の取り組みと結論を『了』として、今後の具体的諸条件の調整については無所属の会および執行部の協議に委ねる。立憲民主党とは引き続き粘り強く交渉を続けていく」
要するに、希望の党との交渉はよく頑張ったが、会派結成は時期尚早なので立憲民主党と交渉しましょう−という内容だ。
この2日前、民進党の増子輝彦(70)、希望の党の古川元久(52)両幹事長が会派結成の前提となる基本政策の合意文書を交わした。現行の安全保障関連法を実質的に容認してきた希望の党は、同法の白紙化を唱える民進党側に配慮し「違憲と指摘される部分を削除することを含め、必要な見直しを行う」との文言を文書に盛り込んで歩み寄りをみせた。
「ここまできて『会派を組まない』なんて言われたら『はれのひ』問題みたいなものだ」
希望の党幹部は、成人式に突然雲隠れした振り袖の販売・レンタル業者を引き合いに冗談交じりに語っていたが、わずか2日で執行部間の合意が覆され、赤っ恥をかくことになった。
交渉決裂について大塚氏は、衆院選で希望の党に「排除」された岡田氏らを念頭に「感情的なしこりが相当根深いことが分かった」と述べた。だが、分裂の経緯を考えれば、感情的反発が生じることは目に見えていたはずだ。執行部が党内情勢を見誤り、「連携ありき」で結論を急いだことが一番の要因だったのではないか。
今後の統一会派の協議は、執行部と無所属の会に委ねられ、立憲民主党との交渉が本格化する見通しだ。安住淳元財務相(56)は総会後、記者団に「希望の党との話は衆院を置き去りにして無理があった。執行部もご苦労さんだったけど、ちょっと引き取らせてもらう」と話している。
一連の動きに対して国民の視線は冷ややかだ。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が20、21両日に実施した合同世論調査で、希望の党と民進党の統一会派結成が頓挫したことに関し「会派を組むべきだった」との回答は15・7%にとどまり、「会派見送りは当然」が73・6%にものぼった。
そして民進党の支持率は、前回調査の1・8%から0・7%に落ち込み、前回比0・9ポイント増の14・8%だった立憲民主党に大きく水をあけられた。民進党は希望の党(1・3%)よりも低く、共産党(3・4%)、日本維新の会(3・0%)の後塵を拝し、国会議員数一桁の自由党(0・6%)、社民党(0・5%)をわずかに上回ったに過ぎない。
民進党籍の国会議員は50人以上いるが、毎日新聞の今月の世論調査では2回連続で「0%」というありさまだ。5年近く前まで政権を担っていた旧民主党時代からの転落は甚だしい。
そもそも希望の党は衆院選で、民進党の理念、政策を否定する公約を打ち出した政党だった。政策置き去りの野合を目指す民進党は支持できないというのが調査結果から読み取れる。
大塚氏は通常国会が召集された22日、世論調査について「支持率低下は大変残念だ」と述べた上で、「衆院選で希望の党で立候補せざるを得なかった(元民進党の)皆さんが元の立ち位置に戻り、連携できる道を探っている。この点について国民に理解頂けるよう努力したい」と語り、引き続き3党統一会派を目指す考えを強調した。
(略)