西日本新聞 8/13(日) 6:57配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170813-00010005-nishinpc-pol
沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する「県民大会」が12日、那覇市で開かれ、主催者発表で4万5千人が参加した。日米両政府に辺野古移設の断念を求める大会宣言を採択。オーストラリア沖で起きた新型輸送機オスプレイの墜落事故を受け、国内での全面飛行禁止を求める特別決議も採択した。翁長雄志(おながたけし)知事は「オスプレイ配備撤回、辺野古新基地建設反対に不退転の決意で取り組む」と述べた。参加者からは飛行再開に不満の声が噴出した。
「日本の独立は神話であると言わざるを得ない」
12日午後2時、真夏の日差しが容赦なく照りつける中、会場の陸上競技場を「NO辺野古新基地」と書かれた紙を掲げて抗議する市民が埋め尽くした。大会は辺野古移設に反対する政党や市民団体でつくる「オール沖縄会議」が主催した。
「県民が危惧した通りの状況になっており、憤慨に堪えない」
翁長氏は米軍が事故からわずか2日で飛行再開を強行したことを厳しく批判。日本政府が飛行再開を容認したことは「米軍が『運用上必要』と言えば、すぐ引き下がる。日本の独立は神話であると言わざるを得ない」と切り捨てた。
「ウチナーンチュが望む基地負担軽減に日本政府はまったく応えていない」
オスプレイは2012年10月に普天間飛行場に配備された後、昨年12月に沖縄の浅瀬で機体が大破するなど、事故や緊急着陸が相次いでいる。ほかの登壇者からも「沖縄の命が過小評価されている」などと日米両政府への批判が相次いだ。
「沖縄に住む一人一人の命が日米同盟強化の踏み石になってはいけない」
若者世代で唯一登壇した琉球大大学院1年の玉城愛さん(22)=うるま市=は、こう訴えた。
昨年6月、米軍属の男による女性殺害事件に抗議する県民大会で、玉城さんは喪服を着て登壇し、安倍晋三首相と本土に住む日本国民に「今回の事件の『第二の加害者』はあなたたちだ」と涙ながらに訴えた。
玉城さんは今回の県民大会に向かう前、事件の現場に足を運び、手を合わせてきた。オスプレイの事故も女性殺害事件も基地がなければ起きないことだと思っている。壇上で「ウチナーンチュ(沖縄の人)が望む基地負担軽減に日本政府はまったく応えていない」と批判した。
オスプレイは陸上自衛隊が佐賀空港(佐賀市)に配備する計画がある。オール沖縄会議事務局長の山本隆司さん(60)は「これだけ事故を起こしているオスプレイは、どこであっても受け入れられないはずだ」と話した。