第1次安倍晋三政権当時の平成19年2月。東京・赤坂の料亭「佐藤」で、日本獣医師会顧問で元衆院議員の北村直人は、学校法人「加計学園」(岡山市)理事長の加計孝太郎と向き合っていた。
「愛媛で獣医の大学を作りたいんですよ。ぜひ協力してくれませんか?」
加計がこう切り出すと、北村は強い口調で「なぜそんなことを言い出すんですか?」と聞き返した。
加計が「息子の鹿児島大獣医学科の入学式に行き、設備をみたら20億〜30億円でできそうなんですよ」と説明すると、北村は怒気をはらんだ声でこう説いた。
「そんな動機で獣医学科を作りたいなんて、とんでもない話だ。獣医学部創設には500億円はかかりますよ。教育を金もうけに使われたらたまらない。やめた方がいい!」
さらに北村が「親しい政治家はいるんですか」と問うと、加計はこう答えた。
「強いていえば安倍首相ですが…」
北村の脳裏に、安倍への疑念が刻まれた瞬間だった。北村は今も「全ては加計学園ありきなんだ」と息巻く。
だが、愛媛県今治市に加計学園が運営する岡山理科大の獣医学部を新設する構想は、安倍と加計の親交とは全く無関係の切なる地元事情から始まっていた。
× × ×
昭和50年、今治市は高等教育機関を誘致する学園都市構想を打ち出した。タオル産業の衰退などにより、人口減が続く地域を活性化させることが目的だった。松山大や東海大などの名も挙がったが、いずれも誘致には至らなかった。
加計学園の名前が浮上したのは平成17年の正月だった。今治市選出の愛媛県議、本宮勇は市内の友人宅で、小学校から高校まで同級生だった加計学園事務局長と久々に再会した。本宮はこう水を向けた。
「今治市で大学を誘致しているがどこも来てくれないんだ。お前のところの大学が来てくれないか?」
だが、事務局長は「少子化の時代に地方に大学を進出させるのは難しい」と首を縦に振らなかった。それでも本宮はあきらめず、その後も説得を続けた。
事務局長はついに根負けして「人気があり、競争率の高い獣医学部だったら考えてもいいよ」と応じた。
つづく
http://www.sankei.com/smp/premium/news/170719/prm1707190003-s1.html
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