6/27(火) 7:05配信
時事通信
【ソウル時事】韓国の文在寅大統領が原発政策の見直しを表明した演説で、東京電力福島第1原発事故により「2016年3月現在、計1368人が死亡」などと発言したことをめぐり、日本政府が在京韓国大使館参事官に「正しい理解に基づかず、極めて残念に感じている」と申し入れをしたことが26日、分かった。
日本外務省によると、申し入れは22日付。文氏の発言をめぐっては根拠が不明で誤解を招くとの指摘が出ていたが、外務省担当者は「風評被害払拭(ふっしょく)のため、正確な情報発信にさらに取り組んでいく」と説明した。
文氏は19日、韓国国内で最も古い釜山市の古里原発1号機の稼働停止に合わせた式典で演説。この中で「(福島原発)事故後、放射能の影響による死者やがん患者の発生数は把握さえ不可能な状況」などと発言した。
韓国の産業通商資源省は23日に公表した発言に関する説明資料で、日本の一部メディアが昨年3月6日に「災害避難中の死者がこれまでに計1368人に上った」と報じたことを指摘していた。
昨年3月の福島県による県民健康調査の中間取りまとめでは、これまでに発見された甲状腺がんについて「放射線の影響とは考えにくい」と評価。外部被ばく線量についても健康への影響が「認められるレベルではない」としている。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170627-00000012-jij-pol