加計文書、職員の報告放置 初回調査後「省内に保管」
2017年6月9日20時29分
http://www.asahi.com/articles/ASK694V1QK69UTIL01X.html?iref=comtop_8_01
安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐり、文部科学省が内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」などと言われたと記録された文書について、文書は確認できなかったとした同省の当初の調査の後、複数の同省職員が「文書は省内に保管されている」と幹部に報告していたことがわかった。一方、松野博一文科相は9日、調査のやり直しを明らかにした。
文科省幹部によると、調査結果が発表された後、複数の現役職員から同省幹部数人に対し、文書は省内のパソコンにある、といった報告があったという。だが、こうした証言は公表されず、事実上、放置されていた。松野氏は国会などで「文書の存在は確認できなかった」と繰り返していた。
松野氏は、朝日新聞が5月17日に一連の文書について報じ、その後、国会でも取り上げられたのを受けて調査を開始。同19日に「該当する文書の存在は確認できなかった」との調査結果を発表した。だが、担当の専門教育課長ら7人への聞き取りや同課の共有フォルダーの確認にとどまり、共有フォルダーの削除履歴や個人が省内で使うパソコンなどは調べていなかった。