「竹内さんが自殺した動機は分からん」 「立花氏への文書提供」の兵庫県議が耳を疑うような発言
デイリー新潮2/26
https://www.dailyshincho.jp/article/2025/02260557/
SNSでの誹謗中傷、公職選挙法違反疑惑に続き、昨年の兵庫県知事選を巡り新たな騒動が勃発中だ。県議による情報漏えいが暴露され、所属する日本維新の会が調査に乗り出す事態に発展。渦中の県議を直撃すると、耳を疑う言葉を口にして――。
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「火のないところに煙は立たん。知事選の時から、立花さんは“維新の3人とつながってる”と演説などで言ってたから、今回も“やっぱりな”といった感じ。証拠はないと見て、本人はトボけてるんとちゃいますか」(維新会派の兵庫県議)
「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏(57)が知事選の最中、日本維新の会の岸口実県議(60)から「秘密の文書」をもらったと暴露したのは今月7日。
「文書には、斎藤元彦知事を悪者に見せようと“印象操作を行った黒幕”として、今年1月にSNS上の誹謗中傷に思い悩み亡くなった竹内英明元県議の名前が記されていたといいます。ホテルの一室で岸口氏は、その文書を胸ポケットから四つ折りにした状態で取り出し、立花氏に手渡したとされます」(在阪ジャーナリスト)
これについて岸口氏は報道陣の取材に対し、文書の提供を一度は否定したものの、16日に行われた党の調査では「(文書を渡したか)記憶があいまい」「(立花氏と会ったのに)深い意図はなかった」などと説明した。
「直接渡したのが誰だろうと、竹内氏に対する誹謗中傷の“元ネタ”になった文書の提供現場にいただけでも大問題。知事選で岸口さんは、維新を離党して無所属で出馬した清水貴之元参院議員を支援していましたが、清水氏の勝ち目はないと早々に判明。だから“もしもに備え、斎藤陣営に恩を売るため立花氏と会ったのでは?”との臆測も飛んでいる」(県議会関係者)
■「ブローカーのような印象の人」
岸口氏の初当選は2003年。4選を目指した15年の選挙で落選したのを機に民主党から維新へと転じ、19年の県議選で復活当選を果たした。
政治家になる前の岸口氏を知る関係者によれば、
「彼は昔、自民党副幹事長などを務めた元参院議員・石井一二氏の秘書をしていた。でも当時から“オヤジのために一肌脱ぐ”というより、ビジネスライクでブローカーのような印象の人だった。機を見るに敏な分、情に欠けるような部分はあったかもしれない」
兵庫県議会において、維新は21人を擁する、自民党に次ぐ会派だが、
「斎藤知事に対するスタンスでは決して一枚岩ではない。そんな中で“斎藤派”の筆頭格に挙げられるのが岸口さんだった。だから彼が、知事選で二股を画策していたとしても別に驚かない」(前出・維新県議)
一方で人柄については「維新特有のイケイケな雰囲気はなく、フランクな性格で理路整然と話すタイプ」(別会派の県議)という。
■「亡くなった動機は分からへんから」
立花氏は、岸口氏が口をつぐむ理由を、事実が明らかになれば「反党行為」を理由に参院選全国比例の公認がもらえなくなるからだと指摘。実際、「岸口さんは夏の参院選に出るつもりでしたが、今回の一件でその可能性はなくなった」(維新関係者)とされる。
先日、自宅から駅に向かう岸口氏を直撃すると、
「党本部の調査があるんで(詳細は)それを待ってもらえたらと思います」
と言って足早に立ち去ろうとし、質問にも無言を貫いた。しかし「文書提供が竹内さんを死に追いやるキッカケになったのでは」と問うと、
「竹内さんの亡くなった動機は分からへんから」
とポツリと漏らし、去って行った。この発言の真意もまた、説明が必要になるだろう。
「週刊新潮」2025年2月27日号 掲載