全国知事会(会長・村井嘉浩宮城県知事)は20日、自民、公明両党が決定した2025年度の与党税制改正大綱へのコメントを発表した。所得税の非課税枠「103万円の壁」を123万円にする方針を打
ち出したことに関連し「地方税財源への影響などに配慮いただいたことに深く感謝する」とした。
全国知事会会長の村井知事は地方への配慮を求めていた(11月27日、首相官邸)
個人住民税では、26年度以降の給与所得控除の10万円引き上げや大学生らに関する特別控除の創設などが明記された。所得税にある基礎控除の引き上げには触れなかった。総務省は住民税の減収額を500億〜1000億円と試算する。国民民主党案に沿って控除額が拡大した場合、4兆円程度の減収が見込まれており、減収額は抑えられたことになる。
自公両党は国民民主党との協議を改めて調整する見通しで、「仮に今後、今回を超える恒久的な見直しがされる場合は、地方の行政サービスに支障を来すことがないよう、国の責任において代替財源を適切に確保するよう強く求める」とした。
今回の減収に対して大綱では「特段の財源確保措置は要しない」とした。これには「地方税財政に大きな影響を生じる改正については、地方の意見を十分に尊重しながら検討することを強く求める」とした。
全国市長会の松井一実会長もコメントを出した。「個人住民税の『地域社会の会費』としての性格も踏まえ、とりまとめがされたことは理解する」とした。企業版ふるさと納税が3年間延長されたことについては、「評価する。さらなる地方創生の充実・強化に資するよう求める」とした。
日本経済新聞 2024年12月20日 18:48
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