新型コロナウイルス感染「第8波」対応として政府が設けた「医療逼迫(ひっぱく)防止対策強化宣言」に対し、判断主体となる都道府県の間で慎重姿勢が目立っている。13日には静岡県が発令したが、発令自治体は岐阜県と合わせ全国で2県のみ。コロナ対策が「呼び掛け」主体となる中、国の枠組みを活用することに懐疑的な見方も出ている。
「新型コロナの新規感染者が年明けから爆発的に増加しており、救える命を救えない状況が差し迫っている」。静岡県の川勝平太知事は13日の記者会見で発令の理由をこう述べ、軽症者らに医療機関への受診を控えることなどを呼び掛けた。
ただ、政府は経済社会活動の回復を重視。オミクロン株が一般的に重症化しにくいことも勘案し、かつての「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」で導入した飲食店の営業時間短縮のような行動制限は実施しない。昨年12月、全国で初めて対策強化宣言を発令した岐阜県では、年末こそ感染が落ち着いていたものの、今月5日には過去最多となる5695人の感染を確認した。
既に独自の宣言を出している自治体も多い。その一つ、岡山県の伊原木隆太知事は対策強化宣言について「(県から国に)看板が替わるだけ」と指摘。担当者は「政府の宣言を新しく出したところで県民にはどう違うか分かりにくい」と語る。
従来株から派生した新系統への置き換わりによる感染急増が懸念される東京都も静観の構えだ。小池百合子知事は12日の記者会見で「専門家の分析、社会経済活動の状況を踏まえ、総合的に判断する」と述べるにとどめた。
全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)は時事通信の取材に対し「重症化率がそれほど高くない中で、住民にどれだけ協力を求めるべきか、各都道府県は慎重に検討している」と強調。新型コロナの感染症法上の位置付けは「2類相当」から見直される方向となっており、「政府側も『第8波』とどう向き合うべきか、流動的な局面になってきた」と指摘する。
時事通信 2023年01月14日07時21分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023011300814&g=soc&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
「新型コロナの新規感染者が年明けから爆発的に増加しており、救える命を救えない状況が差し迫っている」。静岡県の川勝平太知事は13日の記者会見で発令の理由をこう述べ、軽症者らに医療機関への受診を控えることなどを呼び掛けた。
ただ、政府は経済社会活動の回復を重視。オミクロン株が一般的に重症化しにくいことも勘案し、かつての「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」で導入した飲食店の営業時間短縮のような行動制限は実施しない。昨年12月、全国で初めて対策強化宣言を発令した岐阜県では、年末こそ感染が落ち着いていたものの、今月5日には過去最多となる5695人の感染を確認した。
既に独自の宣言を出している自治体も多い。その一つ、岡山県の伊原木隆太知事は対策強化宣言について「(県から国に)看板が替わるだけ」と指摘。担当者は「政府の宣言を新しく出したところで県民にはどう違うか分かりにくい」と語る。
従来株から派生した新系統への置き換わりによる感染急増が懸念される東京都も静観の構えだ。小池百合子知事は12日の記者会見で「専門家の分析、社会経済活動の状況を踏まえ、総合的に判断する」と述べるにとどめた。
全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)は時事通信の取材に対し「重症化率がそれほど高くない中で、住民にどれだけ協力を求めるべきか、各都道府県は慎重に検討している」と強調。新型コロナの感染症法上の位置付けは「2類相当」から見直される方向となっており、「政府側も『第8波』とどう向き合うべきか、流動的な局面になってきた」と指摘する。
時事通信 2023年01月14日07時21分
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