https://www.yomiuri.co.jp/politics/20221213-OYT1T50276/
![【領海侵入】海保予算も27年度に1・4倍に…中国海警船の武装化で尖閣情勢が「一層緊迫化」 [家カエル★]->画像>3枚](https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/12/20221213-OYT1I50193-1.jpg)
尖閣諸島の海上警備を担う大型巡視船「あさづき」
![【領海侵入】海保予算も27年度に1・4倍に…中国海警船の武装化で尖閣情勢が「一層緊迫化」 [家カエル★]->画像>3枚](https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/12/20221213-OYT1I50192-1.jpg)
政府は、「海上保安能力強化に関する方針」を16日にも策定する。沖縄県の尖閣諸島周辺で中国海警局船の航行が常態化していることなどを踏まえ、海上保安庁と自衛隊の連携を強化し、海保予算を2027年度に今年度の約1・4倍に当たる3200億円程度に増額することなどが柱だ。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。同様の文書の取りまとめは2016年以来となる。国家安全保障戦略など3文書の閣議決定に合わせ、関係閣僚会議で決定する見通しだ。
強化方針の原案では、尖閣周辺海域の情勢について、今年7月に海警船の領海侵入が過去最長の64時間17分に及んだことなどに触れ、「一層緊迫化している」と分析。中国海軍艦艇からの転用が進み、「海警船の大型化・武装化が顕著だ」と警鐘を鳴らした。
このため、海保の能力を各分野で強化する方針を掲げた。まず巡視船の体制拡充などで、「新たな脅威に備えた尖閣領海警備能力」の獲得を目指すとした。
「戦略的な国内外の関係機関との連携・支援能力」を向上させるため、武力攻撃事態時に防衛相が海保を統制下に置く手順を定めた「統制要領」の策定や、自衛隊との共同訓練を進めることを明記した。
外国の海上保安機関との協力や、現地海域の巡視船による警戒監視活動などの支援を推進し、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指す考えも示した。強引な海洋進出を続ける中国をけん制するため、東南アジア諸国連合(ASEAN)の各国などと協力を深めることが念頭にある。
さらに、▽無人機などの新技術を活用した隙のない監視能力▽テロや災害などの大規模・重大事案の同時発生に対応できる 強靱きょうじん な対処能力▽海洋権益を確保するための海洋調査能力▽サイバー対策などの強固な業務基盤能力――を充実させるとした。
22年度当初予算で2231億円の海保予算を段階的に拡大し、27年度に1000億円程度増やすことも盛り込んだ。岸田首相は27年度に防衛費と、海保や研究開発などを含む安保関係予算を合わせ、対国内総生産(GDP)比2%の規模にしたい考えだ。