埼玉県は13日、同県秩父市中津川の県道中津川三峰口停車場線で土砂崩れが起きたと発表した。けが人はいなかった。同線は12・4キロにわたり通行止めになっており、復旧のめどは立っていない。市内の約80軒で停電が発生し、一部通信にも影響が出ている。
秩父市内ではこの3日間は降雨などは確認されておらず、県は土砂崩れの原因を調べるとともに復旧を急ぐ。
県によると、同日午前6時50分ごろ、住民から秩父県土整備事務所に通報があった。県道脇の山の斜面の土砂が崩れ、県道上の落石防止用構造物「ロックシェッド」付近が覆われているという。
崩落場所の山側にある中津川集落では7日午後5時~8日正午ごろに181ミリの降水を観測。同日午前1時すぎ、同集落に「土砂災害警戒情報」が発令された。県は降雨と土砂崩れとの関連を調べている。14日には専門家による現地調査を実施する。
秩父市大滝総合支所によると、中津川集落と中双里(なかそうり)集落で計20人が暮らす。小鹿野町側からの道が緊急車両に限って通行可能と確認されたことから、支所はこのルートで衛星電話や発電機などを中津川集落に運んだ。
中津川など停電
中津川集落の山中真一区長は「望んでいるのは、電気。早く復旧してもらいたい」と毎日新聞の電話取材に訴えた。過去の災害で「孤立状態」になった教訓から、非常食や水などの一定の備蓄が進められている。ただ、自由に集落外へ移動できない状態が長引けば生活に大きな支障が出かねず、山中区長は道路や停電の早期復旧を求めている。【鷲頭彰子、山田研】
毎日新聞 2022/9/14 09:28(最終更新 9/14 09:28) 655文字
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