塚田賢慎
2022年09月02日 09時48分
スイスの高級時計ブランド「OMEGA(オメガ)」のパロディー時計の商標「OMECO(オメコ)」が特許庁によって登録取り消されたことをめぐり、知財高裁でも、「卑猥」であり「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある」として、登録取り消しが支持された。
この判決から約3カ月。OMECO側は一連の決定は、表現の自由を保障する憲法に違反しているとして、最高裁に上告している。
特許庁と知財高裁が登録取り消しの根拠とした商標法4条1項7号「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」の解釈は漠然としており、最高裁で解釈を示すべきだというのだ。(編集部・塚田賢慎)
●OMECO訴訟の経緯
OMECO社は2020年8月、アルファベットの「OMECO」ロゴ商標を登録。OMEGA社から異議申し立てされて、特許庁は2021年12月に登録取り消しを決定した。
続いて、OMECO社が特許庁による決定の取り消しをもとめて裁判を起こすと、知財高裁は2022年5月、棄却する判決を言い渡した。
この判決を不服として、OMECO社は6月7日に上告。現在は、最高裁が審理するか判断を待っているところだ。
公序良俗違反を防止する商標法4条1項7号が違憲であり、解釈を示すことを最高裁に求めている。
●上告によって違憲訴訟に形をかえた
商標法では「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」がある商標は、登録を受けられないと定められている(4条1項7号)。
特許庁も知財高裁も、OMECOのロゴは、この「公序良俗違反」に違反すると判断した(なお、特許庁は「広義の出所の混同」(同15号)の違反も認めたが、知財高裁は判断していない)。
知財高裁の判決文を一部紹介する。
https://www.bengo4.com/c_18/n_14936/
2022年09月02日 09時48分
スイスの高級時計ブランド「OMEGA(オメガ)」のパロディー時計の商標「OMECO(オメコ)」が特許庁によって登録取り消されたことをめぐり、知財高裁でも、「卑猥」であり「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある」として、登録取り消しが支持された。
この判決から約3カ月。OMECO側は一連の決定は、表現の自由を保障する憲法に違反しているとして、最高裁に上告している。
特許庁と知財高裁が登録取り消しの根拠とした商標法4条1項7号「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」の解釈は漠然としており、最高裁で解釈を示すべきだというのだ。(編集部・塚田賢慎)
●OMECO訴訟の経緯
OMECO社は2020年8月、アルファベットの「OMECO」ロゴ商標を登録。OMEGA社から異議申し立てされて、特許庁は2021年12月に登録取り消しを決定した。
続いて、OMECO社が特許庁による決定の取り消しをもとめて裁判を起こすと、知財高裁は2022年5月、棄却する判決を言い渡した。
この判決を不服として、OMECO社は6月7日に上告。現在は、最高裁が審理するか判断を待っているところだ。
公序良俗違反を防止する商標法4条1項7号が違憲であり、解釈を示すことを最高裁に求めている。
●上告によって違憲訴訟に形をかえた
商標法では「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」がある商標は、登録を受けられないと定められている(4条1項7号)。
特許庁も知財高裁も、OMECOのロゴは、この「公序良俗違反」に違反すると判断した(なお、特許庁は「広義の出所の混同」(同15号)の違反も認めたが、知財高裁は判断していない)。
知財高裁の判決文を一部紹介する。
https://www.bengo4.com/c_18/n_14936/