東洋経済6/22 9:00
https://toyokeizai.net/articles/-/596688
(前略)
■恵まれた立地と充実した教育環境
このように恵まれた教育環境にあるにもかかわらず、音楽大学の学生数は、全体としてここ20年減少の一途を辿っています。しかも特にこの10年、その傾向が顕著です。
定員割れが大きいと、文部科学省から交付される補助金が減額されるため、学生が減れば定員を減らし、減らしても学生が集まらなければさらに定員を減らすという、まるで“イタチごっこ”のような悪循環が続いているのです。しかもその傾向は私立で際立っており、もともと学費が安くて人気の国公立大学や一部を除き、収まる気配は感じられません。
それは文部科学省の学校基本調査をみれば明らかです。音楽関係学科の学生数は、1990(平成2)年度約2万2000人、2000(平成12)年度約2万3000人と、この10年はほぼ横ばいでしたが、7年後の2007(平成19)年度に2万人を割り込み、2020(令和2)年度には、約1万6000人と、この20年で3割以上も減少してしまいました。
この学生数の減少に対し、音大側は募集定員枠を減らして対応してきましたが、多くの私立音大は、減らした定員すら満たすことができずにいます。
その現実を示すのが日本私立学校振興.共済事業団の入学志願動向で、音楽学部の入学定員充足率は2012(平成24)年度以降ずっと100%(定員)割れが続いています。しかも9割未満の大幅定員割れ。
2020(令和2)年度になって一部音大の募集状況改善から久しぶりに93.2%と9割台を回復しましたが、それでも全学部平均102.6%には遠く及びません。
一部個別校の定員割れは、平均数字以上に深刻です。2020年の定員充足率を見ると、2021年度から新規学生の募集を停止する上野学園大学の50.0%を筆頭に、平成音楽大学51.3%、東邦音楽大学59.0%、聖徳大学68.5%、エリザベト音楽大学72.8%、くらしき作陽大学75.7%、武蔵野音楽大学82.7%、国立音楽大学83.0%となっており、これらは約770ある大学中、下位100校にランキングされます。
このままではさらなる募集定員の減少に追い込まれかねない情勢です
■音大は何を間違ったのか?
少子化が叫ばれていますが、大学進学率が大幅に上昇したことで、実は大学の学生数は大幅に増えています。その中での音大学生数の大幅減少、これは一体どういうことでしょうか。
音楽大学はもともと企業就職が少なく、演奏活動や音楽教室の講師をしながら、今では“ほぼ絶滅”した「家事手伝い」として卒業後数年を過ごし、結婚して家庭に入るのが一般的でした。実家が裕福であることが前提で、一般大学のように自立を促す方向で企業就職に力を入れて指導することがなかったのです。多くの音大では、女性が活躍する社会となる中で、旧態依然のまま時代の変化に背を向けてきたのです。
■演奏教育ばかりが重視
自立するには何も企業就職ばかりではなく、音楽家や音楽教育家、音楽関連ビジネスで生きる道もあるはずです。それに必要な経営学や起業論、会計などのカリキュラムが加わることはなく、演奏教育ばかりが重視されてきました。
その結果、卒業後は「演奏活動」という名の1日1万円にも満たない単発のアルバイトと、飲食業などでのアルバイトの組み合わせでしばらくしのぐものの、30代には頼みのアルバイトもなくなり、困窮するケースがとても増えていきました。
そのため「音大は就職に不利」との考えが蔓延したうえに、「あそこの子はピアノが上手だったけど、今は家にいるみたい」「音大近くの居酒屋は卒業生のバイトで溢れている」などの口さがない評判がSNSなどで追い打ちをかけ、学生募集に大きなマイナスの影響を及ぼしたと考えられます。
結果として、2000年度から2019年度までの20年間で、女子大学生が約3割増え、音大も同様であれば、年に3万人近い入学生を受け入れられたはずでしたが、逆に約4割もの大幅減少となり、8000人にまで減ってしまいました。事ここに至ってすら就職に力を入れない多くの音大があります。就職課やキャリアセンターがない(廃止した)、あるいはあってもほとんど機能せず、就職率が5割にも満たない「ヤバい音大」が多く存在するのが実情なのです。
★1:2022/06/22(水) 21:19
前スレ
【大学】音楽大学がここまで凋落してしまった致命的弱点 学生数激減で経営危機 何を間違えてしまったか★2
http://2chb.net/r/newsplus/1655905930/
https://toyokeizai.net/articles/-/596688
(前略)
■恵まれた立地と充実した教育環境
このように恵まれた教育環境にあるにもかかわらず、音楽大学の学生数は、全体としてここ20年減少の一途を辿っています。しかも特にこの10年、その傾向が顕著です。
定員割れが大きいと、文部科学省から交付される補助金が減額されるため、学生が減れば定員を減らし、減らしても学生が集まらなければさらに定員を減らすという、まるで“イタチごっこ”のような悪循環が続いているのです。しかもその傾向は私立で際立っており、もともと学費が安くて人気の国公立大学や一部を除き、収まる気配は感じられません。
それは文部科学省の学校基本調査をみれば明らかです。音楽関係学科の学生数は、1990(平成2)年度約2万2000人、2000(平成12)年度約2万3000人と、この10年はほぼ横ばいでしたが、7年後の2007(平成19)年度に2万人を割り込み、2020(令和2)年度には、約1万6000人と、この20年で3割以上も減少してしまいました。
この学生数の減少に対し、音大側は募集定員枠を減らして対応してきましたが、多くの私立音大は、減らした定員すら満たすことができずにいます。
その現実を示すのが日本私立学校振興.共済事業団の入学志願動向で、音楽学部の入学定員充足率は2012(平成24)年度以降ずっと100%(定員)割れが続いています。しかも9割未満の大幅定員割れ。
2020(令和2)年度になって一部音大の募集状況改善から久しぶりに93.2%と9割台を回復しましたが、それでも全学部平均102.6%には遠く及びません。
一部個別校の定員割れは、平均数字以上に深刻です。2020年の定員充足率を見ると、2021年度から新規学生の募集を停止する上野学園大学の50.0%を筆頭に、平成音楽大学51.3%、東邦音楽大学59.0%、聖徳大学68.5%、エリザベト音楽大学72.8%、くらしき作陽大学75.7%、武蔵野音楽大学82.7%、国立音楽大学83.0%となっており、これらは約770ある大学中、下位100校にランキングされます。
このままではさらなる募集定員の減少に追い込まれかねない情勢です
■音大は何を間違ったのか?
少子化が叫ばれていますが、大学進学率が大幅に上昇したことで、実は大学の学生数は大幅に増えています。その中での音大学生数の大幅減少、これは一体どういうことでしょうか。
音楽大学はもともと企業就職が少なく、演奏活動や音楽教室の講師をしながら、今では“ほぼ絶滅”した「家事手伝い」として卒業後数年を過ごし、結婚して家庭に入るのが一般的でした。実家が裕福であることが前提で、一般大学のように自立を促す方向で企業就職に力を入れて指導することがなかったのです。多くの音大では、女性が活躍する社会となる中で、旧態依然のまま時代の変化に背を向けてきたのです。
■演奏教育ばかりが重視
自立するには何も企業就職ばかりではなく、音楽家や音楽教育家、音楽関連ビジネスで生きる道もあるはずです。それに必要な経営学や起業論、会計などのカリキュラムが加わることはなく、演奏教育ばかりが重視されてきました。
その結果、卒業後は「演奏活動」という名の1日1万円にも満たない単発のアルバイトと、飲食業などでのアルバイトの組み合わせでしばらくしのぐものの、30代には頼みのアルバイトもなくなり、困窮するケースがとても増えていきました。
そのため「音大は就職に不利」との考えが蔓延したうえに、「あそこの子はピアノが上手だったけど、今は家にいるみたい」「音大近くの居酒屋は卒業生のバイトで溢れている」などの口さがない評判がSNSなどで追い打ちをかけ、学生募集に大きなマイナスの影響を及ぼしたと考えられます。
結果として、2000年度から2019年度までの20年間で、女子大学生が約3割増え、音大も同様であれば、年に3万人近い入学生を受け入れられたはずでしたが、逆に約4割もの大幅減少となり、8000人にまで減ってしまいました。事ここに至ってすら就職に力を入れない多くの音大があります。就職課やキャリアセンターがない(廃止した)、あるいはあってもほとんど機能せず、就職率が5割にも満たない「ヤバい音大」が多く存在するのが実情なのです。
★1:2022/06/22(水) 21:19
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【大学】音楽大学がここまで凋落してしまった致命的弱点 学生数激減で経営危機 何を間違えてしまったか★2
http://2chb.net/r/newsplus/1655905930/