地球環境や人権、社会に配慮した商品やサービスを積極的に選ぶ消費行動を「エシカル消費」と呼ぶ。徳島県は普及に正面から向き合い、「先進県」を目標に掲げる。推進を盛り込んだ「エシカル条例」を全国初で制定し、教育現場でも採り入れている。
エシカル消費:エシカルは「倫理的な」という意味。環境破壊や貧困など社会的課題の解決につながる商品やサービスを選ぶ消費行動を指す。普及・推進する消費者庁は、フェアトレードや寄付付きの商品、エコ、リサイクル、資源保護などの認証がある商品、地産地消や被災地産品などの購入を具体例に挙げている。
「エシカルクラブ」、公立の全高校で発足
「エシカル消費」という言葉は、1989年創刊、倫理的な消費活動を促す英国の専門誌「エシカル・コンシューマー」から生まれたと言われる。80年代に、企業の社会的責任や、貧困・環境問題への関心が集まったことが背景。近年では国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)に提唱された「つくる責任、つかう責任」につながると注目されている。
国内で旗振り役になっているのが消費者庁だ。その消費者庁が2017年7月、地方拠点を徳島市に置き、消費者庁の全面移転を誘致していた徳島県も取り組みを強化することに。18年10月、国内で初めてエシカル消費の推進を盛り込んだ条例を施行した。
なかでも力を入れているのが教育現場だ。
公立の全高校で生徒でつくる…(以下有料版で,残り1697文字)
朝日新聞 2022年5月9日 8時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQ526T26Q4POXIE003.html