法務省が全国初の「地域交流型」の第1種少年院を神奈川県内に設立し、令和8年度から運用する方針であることが14日、同省への取材で分かった。
地域住民が少年らと交流を図ることで地域一体となった矯正教育を行い、複雑な特性を持つ少年らの更生を促す狙いだ。
同省は同様の取り組みを他の少年院にも広げたい考えで、これまで専門家頼りだった矯正教育を社会全体で進めていく大きな転換点になりそうだ。
神奈川県内に設置予定の新少年院の名称は「神奈川少年更生支援センター(仮称)」で、相模原市中央区にあった「神奈川医療少年院」の跡地に建設する。東京都内への移転に伴い閉庁し、今年度内に取り壊す。
新少年院は、敷地約4万6千平方メートルで庁舎のほか、寮舎や体育館などを併設。定員は120人で、非行傾向が進んでいない少年を原則1年程度収容する。
地域住民向けに敷地内には、子育ての相談拠点を設けるほか、体育館の開放も検討。入所する少年と住民らがイベントやグループワークなどで接する機会を積極的に設け、少年院に対する閉鎖的なイメージを改善し、少年らの社会適応能力などを高めたいという。
全国に46カ所ある少年院の多くは、市街地から離れた場所にあり、外部の支援者の協力が得にくいという課題があった。新少年院はJR南橋本駅から約700メートルにあり、徒歩圏内で支援者も通いやすい。
法務省幹部は「専門家以外にも世間には親身になってくれる人がいると実感することは、少年らの更生に好影響を与える」としている。
■少年院 家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し、矯正教育や社会復帰の支援などを行う施設。非行傾向の進んでいないおおむね12歳以上は第1種(旧初等・中等少年院に相当)、反社会勢力と親交があるなど非行傾向の進んだおおむね16歳以上は第2種(旧特別少年院相当)、心身に著しい病や障害がある少年が対象の第3種(旧医療少年院相当)と分かれている。
産経新聞 4/14(木) 22:31
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2670c2ff192b147b452ba16352dd6a7ce61d3bc