新型コロナウイルスのリバウンド(感染再拡大)に伴う流行の「第7波」が懸念される中、感染者数の増加ペースに地域差が生まれている。東京など大都市圏では増減を繰り返す一方、人口が比較的少ない県を中心に最多を更新。全国的に10〜20代の感染者が増えており、政府は若者を対象としたワクチンの3回目接種を加速させる構えだ。
厚生労働省によると、5日までの1週間に確認された全国の新規感染者数は前週比で1.08倍となり、2週連続で増加した。ただ、東京都は1.04倍、愛知県と大阪府は0.97倍と大都市圏では感染拡大が抑えられている。
一方、宮崎県(1.68倍)、大分県(1.39倍)など増加が顕著な地域もある。岩手県や秋田県などでは今月、新規感染者数の最多を更新しており、人口規模の小さい県で感染拡大が鮮明だ。
厚労省の専門家組織「アドバイザリーボード」の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は「過去の感染による免疫の獲得で地域差が生まれている」と分析。年明けからの第6波で感染が広がらなかった地域で拡大が目立っているとした。
これまでは若年層に感染が広がった後に重症化しやすい高齢者に波及し、病床の逼迫(ひっぱく)などを招いた。同組織は「10〜20代の感染増加が顕著」と指摘しており、動向を注視している。
急激なリバウンドを防ぐには、ワクチンの3回目接種がかぎとみられるが、全体の接種率は44.3%にとどまる。65歳以上は84.3%に達しており、若年層の接種がどれだけ進むかが焦点となる。
時事通信 2022年04月10日07時10分
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