ベン・トビアス、BBCニュース
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は16日、ロシア軍の将官が戦死したと述べた。同軍の将官級の死者はこれで4人目とされる。
ゼレンスキー氏は死者を特定しなかった。しかし内務省顧問は、ロシア軍のオレグ・ミチャエフ少将だと説明。ウクライナの極右組織「アゾフ大隊」が15日に殺害したとした。
メディア報道では、第150機動ライフル師団のミチャエフ少将はマリウポリ近郊で死亡したとされる。
事実であれば、ウクライナ侵攻を指揮しているロシア軍の将官約20人のうち、5分の1が戦死したことになる。
なぜミチャエフ少将のような幹部が前線付近にいたのか、いぶかしむ声も出ている。
これまで死亡が伝えられた将官は、ミチャエフ少将のほか、第29合同軍のアンドレイ・コレスニコフ少将、第41合同軍のヴィタリー・ゲラシモフ少将、同軍のアンドレイ・スホベツキー少将。
■ウクライナが狙い撃ちか
ロシア軍幹部の戦死が相次いでいることについて、将官が単に時と場所を誤ったのではなく、ウクライナが標的にして攻撃している可能性が高いとみる専門家もいる。
米ジョージタウン大学のリタ・コナエフ氏は、「事故だとは思わない。1件なら事故だが、これだけ多いのは狙っているからだ」とBBCに話した。
ウクライナのゼレンスキー大統領側近の1人は、ロシア軍の将官クラスへの攻撃を専門とする軍情報チームがウクライナにはあると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに説明。
「そのチームは、注目を集めている将官、パイロット、砲撃指揮官らを探している」とした。
■居場所の把握
前出のコナエフ氏によると、ウクライナ軍にとって、数で圧倒されている状況でロシア軍幹部を狙うのは、情報戦の重要な部分になっている可能性がある。
「標的にしているのなら、ウクライナの士気を高めることになる。勝利を収めていると感じられる。気持ちを奮い立たせる」
ウクライナが特定のロシア将官を狙い撃ちするには、居場所を知る必要がある。アナリストらは、ロシアがオープンな通信手段を使っており、それが所在についてのヒントを提供することにつながっている可能性があるとする。
ロチャン・コンサルティングの防衛アナリスト、コンラッド・ムジカ氏は、「ロシア側が携帯電話やアナログラジオで軍幹部と連絡を取っているなら、ウクライナはすべてを把握している」とBBCに話した。
ウクライナ側は、ロシア軍のゲラシモフ少将を殺害した後、ロシアの安全保障幹部の会話だとする録音を公表した。その中で幹部とされる人物らは、同少将の死亡について話し、安全な通信ネットワークが機能していないと文句を言っている。
■将官が前線にいる事情
将官が危険な前線にいるのは異例なことだ。西側関係者は、ロシア軍の作戦がうまくいかず、状況をコントロールするための行動だったとみている。
前出のムジカ氏によると、ロシア軍は伝統的に、将官が日々の活動も指揮することが多い。大隊の指揮官が自分で判断するよう改革が進められているが、「それが始まったのはつい3年前で、実際の活動への効果はみられなかったのかもしれない」という。
将官たちの死亡の詳細は明らかになっておらず、確実な事実を把握するのも困難だ。全員、前線で戦闘に直面したと考えられているが、必ずしもそうではない場合もあると、コナエフ氏は話す。
「将官らは前線にいたとは限らない。例えば、移動中だったとか、補給線を点検していた最中だった可能性もある」と、コナエフ氏はBBCに述べた。
3/17(木) 16:31配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d28a5cda7445f5b694ff0874bea2062b4f7d8009
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は16日、ロシア軍の将官が戦死したと述べた。同軍の将官級の死者はこれで4人目とされる。
ゼレンスキー氏は死者を特定しなかった。しかし内務省顧問は、ロシア軍のオレグ・ミチャエフ少将だと説明。ウクライナの極右組織「アゾフ大隊」が15日に殺害したとした。
メディア報道では、第150機動ライフル師団のミチャエフ少将はマリウポリ近郊で死亡したとされる。
事実であれば、ウクライナ侵攻を指揮しているロシア軍の将官約20人のうち、5分の1が戦死したことになる。
なぜミチャエフ少将のような幹部が前線付近にいたのか、いぶかしむ声も出ている。
これまで死亡が伝えられた将官は、ミチャエフ少将のほか、第29合同軍のアンドレイ・コレスニコフ少将、第41合同軍のヴィタリー・ゲラシモフ少将、同軍のアンドレイ・スホベツキー少将。
■ウクライナが狙い撃ちか
ロシア軍幹部の戦死が相次いでいることについて、将官が単に時と場所を誤ったのではなく、ウクライナが標的にして攻撃している可能性が高いとみる専門家もいる。
米ジョージタウン大学のリタ・コナエフ氏は、「事故だとは思わない。1件なら事故だが、これだけ多いのは狙っているからだ」とBBCに話した。
ウクライナのゼレンスキー大統領側近の1人は、ロシア軍の将官クラスへの攻撃を専門とする軍情報チームがウクライナにはあると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに説明。
「そのチームは、注目を集めている将官、パイロット、砲撃指揮官らを探している」とした。
■居場所の把握
前出のコナエフ氏によると、ウクライナ軍にとって、数で圧倒されている状況でロシア軍幹部を狙うのは、情報戦の重要な部分になっている可能性がある。
「標的にしているのなら、ウクライナの士気を高めることになる。勝利を収めていると感じられる。気持ちを奮い立たせる」
ウクライナが特定のロシア将官を狙い撃ちするには、居場所を知る必要がある。アナリストらは、ロシアがオープンな通信手段を使っており、それが所在についてのヒントを提供することにつながっている可能性があるとする。
ロチャン・コンサルティングの防衛アナリスト、コンラッド・ムジカ氏は、「ロシア側が携帯電話やアナログラジオで軍幹部と連絡を取っているなら、ウクライナはすべてを把握している」とBBCに話した。
ウクライナ側は、ロシア軍のゲラシモフ少将を殺害した後、ロシアの安全保障幹部の会話だとする録音を公表した。その中で幹部とされる人物らは、同少将の死亡について話し、安全な通信ネットワークが機能していないと文句を言っている。
■将官が前線にいる事情
将官が危険な前線にいるのは異例なことだ。西側関係者は、ロシア軍の作戦がうまくいかず、状況をコントロールするための行動だったとみている。
前出のムジカ氏によると、ロシア軍は伝統的に、将官が日々の活動も指揮することが多い。大隊の指揮官が自分で判断するよう改革が進められているが、「それが始まったのはつい3年前で、実際の活動への効果はみられなかったのかもしれない」という。
将官たちの死亡の詳細は明らかになっておらず、確実な事実を把握するのも困難だ。全員、前線で戦闘に直面したと考えられているが、必ずしもそうではない場合もあると、コナエフ氏は話す。
「将官らは前線にいたとは限らない。例えば、移動中だったとか、補給線を点検していた最中だった可能性もある」と、コナエフ氏はBBCに述べた。
3/17(木) 16:31配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d28a5cda7445f5b694ff0874bea2062b4f7d8009