千葉県北部と茨城県南部の一帯で2021年末から、「袖ビーム」と呼ばれるガードレールの端の部分やガードレール本体が盗まれる被害が相次いでいる。3月3、4日にも千葉県印西市の国道で袖ビームなど2点の盗難が確認された。毎日新聞が各自治体に取材したところ、2月末までに少なくとも14市町で計約380枚が盗まれ、被害額は計約220万円に上る。千葉県警は売却目的の窃盗事件として捜査している。【真下信幸、長沼辰哉】
千葉県道路環境課によると、1月25日〜2月28日に、我孫子▽印西▽佐倉▽酒々井▽香取――の各市町を走る県道と県が管理する国道の計12カ所で盗難が確認された。佐倉市萩山新田干拓の県道佐倉印西線では、2月8日に道路パトロールをしていた県印旛土木事務所の職員がガードレールの欠損を発見。袖ビーム(縦35・6センチ、長さ66センチ、重さ約9・8キロ)13枚と、ガードレール(縦35センチ、長さ2メートル33センチ、重さ33・9キロ)1枚がボルトやナットを外されて、持ち去られていたという。
市町村管理の道路でも被害が後を絶たない。印西市では21年末から4カ所、白井市では今年1月下旬に2カ所で発生。神崎町では2月28日に初めて被害が確認され、町道の袖ビーム5枚(計約2万円相当)を盗まれたとして、県警香取署に被害届を提出した。
県北部の広いエリアで断続的に被害が続くなか、隣接する茨城県南部の自治体も同様の事態に頭を悩ませている。龍ケ崎市では1月中旬に4カ所で袖ビーム計30枚、ガードレール計13枚が盗まれた。稲敷▽河内▽利根――の3市町でも、21年末から今年1月にかけて頻発していた。
特徴は「袖ビーム」が多く狙われている点で、被害の約75%を占めている。袖ビームは端が丸く加工され、ガードレールに衝突した際の車などへの衝撃を和らげる役割がある。ガードレールと同じく鉄製のものが多く、ある自治体の担当者は「ガードレール本体よりも軽くて短く、運びやすいので狙いやすいのでは」と話す。
被害急増の背景には、金属価格の高騰があるとみられる。日本鉄リサイクル工業会が公表している使用済み製品などからとれる「鉄スクラップ」の価格は、2月の関東地区では1トン5万6000〜7500円。20年2月は2万円程度で、2年で3倍弱まで値上がりしている。脱炭素の推進により、リサイクル可能な鉄スクラップは原材料として需要が高まっている一方、新型コロナウイルスの影響で解体工事が遅れるなどして供給が追いついていないことが原因という。同会は「これほど高値が続いている状況は異常」と説明する。
千葉県や各自治体は、取り外しにくいボルトで袖ビームを固定したり、パトロールを強化したりするなどして対策を図る。それでも、茨城県内の自治体担当者からは「区域内に監視カメラのある道は少ない。夜の見回りにも人手的に限界がある」と嘆いている。
毎日新聞 2022/3/9 09:03(最終更新 3/9 09:03) 1200文字
https://mainichi.jp/articles/20220309/k00/00m/040/066000c?cx_testId=121&cx_testVariant=cx_2&cx_artPos=0#cxrecs_s
千葉県道路環境課によると、1月25日〜2月28日に、我孫子▽印西▽佐倉▽酒々井▽香取――の各市町を走る県道と県が管理する国道の計12カ所で盗難が確認された。佐倉市萩山新田干拓の県道佐倉印西線では、2月8日に道路パトロールをしていた県印旛土木事務所の職員がガードレールの欠損を発見。袖ビーム(縦35・6センチ、長さ66センチ、重さ約9・8キロ)13枚と、ガードレール(縦35センチ、長さ2メートル33センチ、重さ33・9キロ)1枚がボルトやナットを外されて、持ち去られていたという。
市町村管理の道路でも被害が後を絶たない。印西市では21年末から4カ所、白井市では今年1月下旬に2カ所で発生。神崎町では2月28日に初めて被害が確認され、町道の袖ビーム5枚(計約2万円相当)を盗まれたとして、県警香取署に被害届を提出した。
県北部の広いエリアで断続的に被害が続くなか、隣接する茨城県南部の自治体も同様の事態に頭を悩ませている。龍ケ崎市では1月中旬に4カ所で袖ビーム計30枚、ガードレール計13枚が盗まれた。稲敷▽河内▽利根――の3市町でも、21年末から今年1月にかけて頻発していた。
特徴は「袖ビーム」が多く狙われている点で、被害の約75%を占めている。袖ビームは端が丸く加工され、ガードレールに衝突した際の車などへの衝撃を和らげる役割がある。ガードレールと同じく鉄製のものが多く、ある自治体の担当者は「ガードレール本体よりも軽くて短く、運びやすいので狙いやすいのでは」と話す。
被害急増の背景には、金属価格の高騰があるとみられる。日本鉄リサイクル工業会が公表している使用済み製品などからとれる「鉄スクラップ」の価格は、2月の関東地区では1トン5万6000〜7500円。20年2月は2万円程度で、2年で3倍弱まで値上がりしている。脱炭素の推進により、リサイクル可能な鉄スクラップは原材料として需要が高まっている一方、新型コロナウイルスの影響で解体工事が遅れるなどして供給が追いついていないことが原因という。同会は「これほど高値が続いている状況は異常」と説明する。
千葉県や各自治体は、取り外しにくいボルトで袖ビームを固定したり、パトロールを強化したりするなどして対策を図る。それでも、茨城県内の自治体担当者からは「区域内に監視カメラのある道は少ない。夜の見回りにも人手的に限界がある」と嘆いている。
毎日新聞 2022/3/9 09:03(最終更新 3/9 09:03) 1200文字
https://mainichi.jp/articles/20220309/k00/00m/040/066000c?cx_testId=121&cx_testVariant=cx_2&cx_artPos=0#cxrecs_s