■野党共闘をめぐる「立民のドタバタ」
(中略)
誰よりも責められるべきなのは、立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長だろう。
繰り返しになるが、「有志の会から、国対情報交換の協議体を新たに作ってくれとの申し入れがあった。その新たな協議体に維新と国民が参加する。共産党との協議はこれまで通り、別途、維持していく」ことそのものは、なんの問題もない。共産党の小池書記局長さえ認めている通りだ。
しかし問題は、「新たな協議体を作る」「新たな協議体には国民と維新がいるので、共産党はその新たな協議体には入れない」「共産党との協議体はこれまで通り継続していく」などという話を、予算審議が実質的に終わる今になって、ようやく行っているというタイミングの問題だ。
衆議院の予算委員会では既に中央公聴会が始まっている。国会のスケジュールから言えば、この後どんなことがあろうとも、予算は粛々と可決されてしまう。予算さえ通ってしまえば、政府・与党にとってもはや通常国会は実質的に終了。この後の国会日程は、いわば、消化試合のようなものに過ぎない。そのようなタイミングになって、野党第一党の国対委員長が「野党各会派との国会対策の新たな枠組みを作る」などと口走っているのだ。遅きに失しているのだ。これまで一体何をしてきたのか。端的に言って職務怠慢であり、その職務怠慢ぶりはもはや異常とさえ言えよう。一連の騒動については、共産党だけでなく、維新もことの発端となった有志の会も立憲民主党に対して不満の意を表明しているが、野党第一党の国対委員長がここまで職務怠慢なら、野党各党が怒るのは当然だ。
■対外コミュニケーションすらこなせない
馬淵国対委員長の問題は、職務怠慢だけではない。
ことのあらましは、「有志の会からの申し入れに従い、国会対策のための新たな協議体を作る。その協議体には、維新と国民が参加する。したがって共産党は入らない。共産党とはこれまで通り別途、既存の協議体で話をしていく」というなんの問題もない極めて単純な話でしかない。しかしたったこれだけのことが、メディアに素直に伝わらず、誤解が誤解を生み、大きな騒動になってしまった。つまり、馬淵氏率いる今の立憲民主党国対委員会は、メディアとまともに話することさえ出来ていないのである。前掲の泉代表によるツイッター投稿を見てもらいたい。あの投稿の中には、なぜか今回の騒動に関係のないはずの、幹事長の役職名が書かれている。おそらく泉代表からすれば「馬淵国対は、メディア対応ができていない」という悲しい現実を直視し、その上で、馬淵国対の体たらくを救済すべく、幹事長に救援を命じたのであろう。なんとも悲しい話ではないか。あれだけ蛇蝎のように嫌われた、枝野体制時代にさえ見られなかった醜態だ。
おそらく、馬淵澄夫氏が国対委員長を務め続ける限り、こうした問題は繰り返され続けるだろう。スケジュール管理もできず、対外コミュニケーションさえまともにこなせない人物が要路に立てば、組織の内外が混乱するのは必定だ。
現に、騒動から丸一日経った16日にも、馬淵氏は極めて危うい発言をしている。
今後の予算委員会に、れいわ新選組の質問時間を確保し、山本太郎代表の予算委員会質問もありうると示唆したのだ。この発言も冷静に考えれば、れいわ新選組を愚弄する発言である。もはや中央公聴会が終わり、政府与党にとって予算委員会になんの価値もなくなったこのタイミングになって初めて、「れいわさんにも、予算委員会に加わっていただく」というのは、言葉は丁寧で優しげであるが、実質、「宴会は終わった。うまい料理は俺たちが食べた。しかし残飯はある。お前らは残飯を食ってるのがお似合いだ」と言っているに等しい。馬淵氏の発言を一部のれいわ新選組の支持者などは喜んで受け止めているようであるが、それは国会日程や議事進行の意味合いについての知識がない一般の有権者だから喜んでいるのであって、本来であれば、「我が党を愚弄するのか」と関係が悪化してもおかしくない出来事だ。なぜもっと早くやらなかったのか、なぜ今頃なのか、真摯な反省が必要だろう。
こう考えると、答えは一つしかない。
立憲民主党は可及的速やかに、馬淵澄夫氏を更迭すべきである。
そうでなければ、馬淵氏の職務怠慢とスケジュール管理の甘さと国会日程へのセンスのなさから、党の内外に、取り返しのつかない災禍が繰り返し生まれるに違いない。
<文・湯山四郎>
2/18(金) 8:52配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4e9b2838a8454ea6afa782532be07dc42af3e3c
(中略)
誰よりも責められるべきなのは、立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長だろう。
繰り返しになるが、「有志の会から、国対情報交換の協議体を新たに作ってくれとの申し入れがあった。その新たな協議体に維新と国民が参加する。共産党との協議はこれまで通り、別途、維持していく」ことそのものは、なんの問題もない。共産党の小池書記局長さえ認めている通りだ。
しかし問題は、「新たな協議体を作る」「新たな協議体には国民と維新がいるので、共産党はその新たな協議体には入れない」「共産党との協議体はこれまで通り継続していく」などという話を、予算審議が実質的に終わる今になって、ようやく行っているというタイミングの問題だ。
衆議院の予算委員会では既に中央公聴会が始まっている。国会のスケジュールから言えば、この後どんなことがあろうとも、予算は粛々と可決されてしまう。予算さえ通ってしまえば、政府・与党にとってもはや通常国会は実質的に終了。この後の国会日程は、いわば、消化試合のようなものに過ぎない。そのようなタイミングになって、野党第一党の国対委員長が「野党各会派との国会対策の新たな枠組みを作る」などと口走っているのだ。遅きに失しているのだ。これまで一体何をしてきたのか。端的に言って職務怠慢であり、その職務怠慢ぶりはもはや異常とさえ言えよう。一連の騒動については、共産党だけでなく、維新もことの発端となった有志の会も立憲民主党に対して不満の意を表明しているが、野党第一党の国対委員長がここまで職務怠慢なら、野党各党が怒るのは当然だ。
■対外コミュニケーションすらこなせない
馬淵国対委員長の問題は、職務怠慢だけではない。
ことのあらましは、「有志の会からの申し入れに従い、国会対策のための新たな協議体を作る。その協議体には、維新と国民が参加する。したがって共産党は入らない。共産党とはこれまで通り別途、既存の協議体で話をしていく」というなんの問題もない極めて単純な話でしかない。しかしたったこれだけのことが、メディアに素直に伝わらず、誤解が誤解を生み、大きな騒動になってしまった。つまり、馬淵氏率いる今の立憲民主党国対委員会は、メディアとまともに話することさえ出来ていないのである。前掲の泉代表によるツイッター投稿を見てもらいたい。あの投稿の中には、なぜか今回の騒動に関係のないはずの、幹事長の役職名が書かれている。おそらく泉代表からすれば「馬淵国対は、メディア対応ができていない」という悲しい現実を直視し、その上で、馬淵国対の体たらくを救済すべく、幹事長に救援を命じたのであろう。なんとも悲しい話ではないか。あれだけ蛇蝎のように嫌われた、枝野体制時代にさえ見られなかった醜態だ。
おそらく、馬淵澄夫氏が国対委員長を務め続ける限り、こうした問題は繰り返され続けるだろう。スケジュール管理もできず、対外コミュニケーションさえまともにこなせない人物が要路に立てば、組織の内外が混乱するのは必定だ。
現に、騒動から丸一日経った16日にも、馬淵氏は極めて危うい発言をしている。
今後の予算委員会に、れいわ新選組の質問時間を確保し、山本太郎代表の予算委員会質問もありうると示唆したのだ。この発言も冷静に考えれば、れいわ新選組を愚弄する発言である。もはや中央公聴会が終わり、政府与党にとって予算委員会になんの価値もなくなったこのタイミングになって初めて、「れいわさんにも、予算委員会に加わっていただく」というのは、言葉は丁寧で優しげであるが、実質、「宴会は終わった。うまい料理は俺たちが食べた。しかし残飯はある。お前らは残飯を食ってるのがお似合いだ」と言っているに等しい。馬淵氏の発言を一部のれいわ新選組の支持者などは喜んで受け止めているようであるが、それは国会日程や議事進行の意味合いについての知識がない一般の有権者だから喜んでいるのであって、本来であれば、「我が党を愚弄するのか」と関係が悪化してもおかしくない出来事だ。なぜもっと早くやらなかったのか、なぜ今頃なのか、真摯な反省が必要だろう。
こう考えると、答えは一つしかない。
立憲民主党は可及的速やかに、馬淵澄夫氏を更迭すべきである。
そうでなければ、馬淵氏の職務怠慢とスケジュール管理の甘さと国会日程へのセンスのなさから、党の内外に、取り返しのつかない災禍が繰り返し生まれるに違いない。
<文・湯山四郎>
2/18(金) 8:52配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4e9b2838a8454ea6afa782532be07dc42af3e3c