“パクり屋のドン”ら4人逮捕 カニなど1300万円相当詐取した疑い
[2022/01/14 11:15]
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000241446.html 嘘の取引を持ち掛け、カニなど1300万円相当の高級食材をだまし取ったとして、取り込み詐欺グループの男4人が逮捕されました。このうち81歳の男は捜査員の間で「パクり屋のドン」と呼ばれる大物で、仲間からも「会長」などと呼ばれ、取り込み詐欺の手法を指南していたということです。
武藤勝容疑者(81)ら4人は去年6月ごろ、代金を支払うつもりがないのに北海道と神奈川県の食品会社からカニやイクラ、ローストビーフなど1300万円相当の高級食材をだまし取った疑いが持たれています。
警視庁によりますと、武藤容疑者は仕入れた商品の代金を払わずに転売する取り込み詐欺を専門にしていて、仲間からは「会長」と呼ばれ、捜査員の間では「パクり屋のドン」と呼ばれていました。
武藤容疑者は「武田勝巳」という偽名で神奈川県藤沢市の営業実態のない「七里物産」という会社の営業部長をかたっていました。
武藤容疑者らは北海道の会社に「給食などに北海道の水産品を卸したい」などと取引を持ち掛けました。
会社側は「コロナで食材が余っていたところ、ようやく需要が追いついてきたと思い取引してしまった」ということです。
一方、神奈川県の会社には「テレビで取り上げられているのを見ました。当社でも卸したい」などと持ち掛けていました。
いずれも、最初に少額の契約を結んで、代金をちゃんと支払い、相手を信用させていました。
商品が届くと会社が倒産したと説明して、破産する予定だと書かれた文書を相手に送り代金を支払わないという手口を繰り返していました。
武藤容疑者らは同様の手口で去年3月から7月までに北海道から沖縄までの合わせて16都道府県の23社から食品のほかにもカメラや温水洗浄便座など、およそ8000万円相当の商品をだまし取り、転売していたということです。
取引装い商品詐取 コロナ禍で被害増、食品会社など標的
2022年1月13日 19:30
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE135WG0T10C22A1000000/ 新型コロナウイルス禍でオンラインなど非対面型の商談が広がるなか、大量の商品を発注したうえで代金を支払わずに逃げる「取り込み詐欺」の被害が目立っている。飲食店との取引が減った食品会社などが狙われており、専門家は取引前に相手の情報を調べるなどの被害防止策を呼びかけている。
取引を装って北海道根室市の水産会社など2社から計約1300万円分のホタテやイクラ、カニなどを詐取したとして、警視庁は13日までに、職業不詳の武藤勝容疑者(81)=東京都台東区=ら男4人を詐欺容疑で逮捕した。警視庁は4人の認否を明らかにしていない。
捜査関係者によると、メールや電話で「デリバリーサービスに卸す」などと取引を持ちかけ、神奈川県藤沢市の食品卸会社名義で商品を注文。初回の取引だけ代金を支払ったうえ、その後大量に注文した分の代金は支払わず、「破産する」と通知書を送付して行方をくらましていた。
被害は2021年3〜7月に16都道府県の23社で計約8000万円に上るとみられる。
被害に遭った会社は「新型コロナの影響で在庫が余っており、取引してしまった」と話しているという。
警視庁は21年1月にも、福岡県の食肉会社などから黒毛和牛など計約300万円分をだまし取ったとして暴力団組員の男ら9人を逮捕している。
東京商工リサーチ情報部の増田和史氏によると、20年春ごろから食品やテレワーク関連機器の取引で「代金が支払われない」といった相談が増えたという。
増田氏は「コロナ禍で非対面の商談が主流となり、取引相手が見えづらくなったことも被害が増加している要因だ」と指摘。「新規取引の前には商業登記などで相手の情報を調べ、代金の前払いを求めるといった慎重な対応も必要となる」と話している。