秋山文野フリーランスライター/翻訳者(宇宙開発)
2/3(木) 20:35
2022年2月1日、NASAは最新の「国際宇宙ステーション移行計画」を発表した。2030年まで国際宇宙ステーション(ISS)の運用を継続し、月や火星の探査計画に向けた各種の宇宙実験を行いつつ民間宇宙ステーションへの移行を図るという計画だ。
ISSは2028年ごろから徐々に運用高度が下がり、2031年1月に大気圏に再突入してニュージーランド東側の南太平洋無人地域に落下する計画となる。
NASA International Space Station Transition Report
米国、日本、欧州、ロシア、カナダの5カ国で運用されてきたISSは、2015年に当初の2021年までの運用を2024年まで延長することが決定し、宇宙飛行士による約6ヶ月間の長期滞在、宇宙実験が続けられてきた。2019年以降には米国議会で2028〜2030年までの運用延長が提案され、欧州宇宙機関からも「2030年までの取組みを続ける」と発表されていた。
システム更新と保守に年間11億ドル(約1260億円)のコストを必要とするISSの運用を延長する決定がたびたび提案されてきた背景には、将来の月・火星有人探査に向けてISSの存在が欠かせないこと、地球低軌道(LEO)での民間宇宙ステーション(CLD)の確立に時間が必要という事情がある。
言い換えれば、人が月や火星に行くための各種の技術開発がまだ終わっておらず、民間宇宙ステーションへの移行が遅れているためだ。
2021年11月、NASA監察総監室(NASA OIG)は、ISSの2030年までの運用延長にあたって課題を整理した報告書を発表した。報告書では主に4つの課題が指摘されている。
・ISS最古のモジュール、ロシアのサービスモジュール部分で見つかったリーク(空気漏れ)など、ISSの損傷と寿命に関する詳細な分析
・ISSの退役、または緊急事態に伴う軌道離脱と大気圏再突入計画
・月・火星有人探査に向けた微小重力環境での技術実施スケジュール
・民間によるLEO宇宙ステーションへの移行計画
この4つを、予算措置も含めて明確化することが求められた。2021年12月31日、NASAはビル・ネルソン長官からISSの2030年までの運用延長を発表した。
しかし決定はブログ発表で詳細を伴っていなかったことから、あらためて「国際宇宙ステーション移行計画」として発表されたものだ。
「ロシア次第」で未確定要素も
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20220203-00280449
2/3(木) 20:35
2022年2月1日、NASAは最新の「国際宇宙ステーション移行計画」を発表した。2030年まで国際宇宙ステーション(ISS)の運用を継続し、月や火星の探査計画に向けた各種の宇宙実験を行いつつ民間宇宙ステーションへの移行を図るという計画だ。
ISSは2028年ごろから徐々に運用高度が下がり、2031年1月に大気圏に再突入してニュージーランド東側の南太平洋無人地域に落下する計画となる。
NASA International Space Station Transition Report
米国、日本、欧州、ロシア、カナダの5カ国で運用されてきたISSは、2015年に当初の2021年までの運用を2024年まで延長することが決定し、宇宙飛行士による約6ヶ月間の長期滞在、宇宙実験が続けられてきた。2019年以降には米国議会で2028〜2030年までの運用延長が提案され、欧州宇宙機関からも「2030年までの取組みを続ける」と発表されていた。
システム更新と保守に年間11億ドル(約1260億円)のコストを必要とするISSの運用を延長する決定がたびたび提案されてきた背景には、将来の月・火星有人探査に向けてISSの存在が欠かせないこと、地球低軌道(LEO)での民間宇宙ステーション(CLD)の確立に時間が必要という事情がある。
言い換えれば、人が月や火星に行くための各種の技術開発がまだ終わっておらず、民間宇宙ステーションへの移行が遅れているためだ。
2021年11月、NASA監察総監室(NASA OIG)は、ISSの2030年までの運用延長にあたって課題を整理した報告書を発表した。報告書では主に4つの課題が指摘されている。
・ISS最古のモジュール、ロシアのサービスモジュール部分で見つかったリーク(空気漏れ)など、ISSの損傷と寿命に関する詳細な分析
・ISSの退役、または緊急事態に伴う軌道離脱と大気圏再突入計画
・月・火星有人探査に向けた微小重力環境での技術実施スケジュール
・民間によるLEO宇宙ステーションへの移行計画
この4つを、予算措置も含めて明確化することが求められた。2021年12月31日、NASAはビル・ネルソン長官からISSの2030年までの運用延長を発表した。
しかし決定はブログ発表で詳細を伴っていなかったことから、あらためて「国際宇宙ステーション移行計画」として発表されたものだ。
「ロシア次第」で未確定要素も
===== 後略 =====
全文は下記URLで
https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20220203-00280449