原材料の価格や物流コストが上昇しているとして、大手製紙メーカーが、相次いでティッシュペーパーなど、家庭向けの紙製品の値上げを決めています。
家庭向け製品の分野では国内トップの大王製紙は、3月22日の出荷分から多くの家庭用製品を15%以上、値上げすることを決めました。
また、大手の日本製紙クレシアも、4月1日の出荷分から10%以上、値上げします。
いずれも対象は、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、キッチンペーパーなどです。
花粉症のシーズンに売り上げが伸びる、保湿性を高くしたティッシュペーパーや、トイレに設置されているハンドドライヤーに代わり、コロナ禍で需要が増えているペーパータオルも対象に含まれています。
理由について、両社は、紙の原料となるパルプの価格や燃料価格の高騰、それに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界的なコンテナ不足となり物流コストの上昇が続いていること、さらに、脱炭素に向けた投資費用を確保するためだと説明しています。
値上げに踏み切るのは、両社とも2019年以来、およそ3年ぶりで、ほかのメーカーに広がる可能性もあります。
日本製紙連合会の今月20日の記者会見で、野沢徹会長は「年明けから原材料価格が一段と高騰しているうえ、物流の正常化は、ことしいっぱいかかるのではないかと懸念していて、先行きは不透明だ」と話しています。
2022年1月26日 20時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220126/k10013451821000.html