長崎大学などの研究チームは26日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対するワクチンの効果を国内のデータで分析した暫定結果を発表した。
オミクロン型の流行が広がった期間において、米ファイザー製か米モデルナ製の2回接種の発症予防効果は51.7%で、
デルタ型流行期での88.7%より低下していた。オミクロン型へのワクチン効果に関する国内データは初めてだという。
全国的にオミクロン型の感染が広がっていた1月1〜21日の検査データを分析し、オミクロン型に対するワクチンの効果を推定した。
東京など全国5カ所の医療機関でコロナの症状があって検査を受けた417人(16〜64歳)について解析した。
ワクチン未接種だった53人のうち陽性が24人(45%)だったのに対し、
ファイザー製かモデルナ製の2回接種から14日以上たった346人では陽性が88人(25%)にとどまった。
症状があって陽性になる比率を統計処理で比較し、2回接種は未接種と比べて発症を51.7%(2.0〜76.2%)減らす効果があると推定した。
ただ、まだ症例数が少ない初期分析であるため推定値の幅が大きい。
デルタ型が流行した2021年7月1日〜9月30日のデータの分析では、2回接種の発症予防効果は88.7%(78.8〜93.9%)だった。
長崎大の森本浩之輔教授は「オミクロン型に対してもワクチンは一定の効果があるが、デルタ型と比べて見劣りするのは間違いない。
接種していても油断せずに感染対策を続けてほしい」と話した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC264AI0W2A120C2000000/