TechinsightJapan 10/29(金) 5:00
警察官や消防隊員らによって人間だけでなく犬や猫など動物の命が救われたケースは多々ある。このほどスペインで、火山噴火に巻き込まれた意識不明の子猫が救助隊の心肺蘇生法によって無事に息を吹き返したという。『New York Post』『Antena 3 Noticias』などが伝えている。
先月19日、スペイン領カナリア諸島のラパルマ島で火山噴火が発生した。溶岩が川に流れ込み、山林は燃え尽くされようとしている状態がいまだ続いている。
スペイン軍緊急事態対処部隊(UME)の隊員たちは地元住民を守るために現在も消火活動にあたっているが、その最中に撮影された子猫が救助される動画が人々の心を温かくしている。動画にはUMEの伍長であるファン・カルロス・ヌニェスさん(Juan Carlos Nunez)が、子猫に心肺蘇生法を施している様子が捉えられていた。
どうやら子猫は、煙と灰を吸い込んで心肺停止に陥ってしまったようだ。ファンさんはプラスチックフィルターのようなものを介して子猫の口元に自分の口をあて、マウス・トゥー・マウスで人工呼吸を試みたが、1分ほど経っても子猫は微動だにしなかった。
それでもファンさんは諦めず、今度は子猫の胸を押し続けて心臓マッサージを施した。すると子猫は徐々に体を動かして息を吹き返したのだ。その後、ファンさんらは子猫を地元の獣医のもとへ連れて行き、良好な健康状態であることが確認された。子猫は飼い主のいない野良猫だったようで、地元の動物保護団体「Leales.org」によって新しい家族を探すことになった。
ところがファンさんは自ら救った子猫のことを忘れられず、すぐに子猫に会いに行き家族の一員として迎えることにしたという。ファンさんは火山によって何百もの家屋が破壊されてしまった町の名前にちなんで、子猫を“ラグナ(Laguna)”と名づけた。
そんなファンさんのことを知った人たちからは「子猫の命を救ってくれてありがとう」「救助した男性の努力と人間性をとても嬉しく思う」といった声があがっている。しかし現在もラパルマ島の火山噴火は収まる様子がなく、地元住民だけでなく動物たちまでもが相次いで火山の被害に遭っているそうだ。
(TechinsightJapan編集部MasumiMaher)
https://article.yahoo.co.jp/detail/6a04eb26118e748c7b12ed3c41a510c4bfc80a6e
意識のない子猫を救おうと試みる救助隊員(画像は『New York Post 2021年10月27日付「Disaster relief hero performs mouth-to-mouth CPR on cat in dramatic video」(UME/Newsflash)』のスクリーンショット)