ロシアで新型コロナウイルスの流行が過去最悪の事態となっている。
政府発表によると、15日の1日当たり新規感染者数は3万2196人、死者数は999人だった。
新規感染者は前日の14日、初めて3万人を突破したばかり。死者数ともに過去最多を記録した。
ワクチン接種の遅れや感染対策の不徹底、感染力の強いデルタ株の拡散が背景にあるとみられる。
さらなる流行が懸念される冬の到来を前に、プーチン政権は危機感を募らせている。
ロシアでは昨年12月下旬、当時で過去最多の1日当たり2万9935人の新規感染を記録。
その後は減少に転じ、今年3月には1万人未満まで状況が改善した。だが、6月ごろから再び増加に転じていた。
ロシアは世界に先駆けて今年1月にワクチン一般接種を開始したが、現在まで国民の接種率は約34%にとどまる。
大規模治験を後回しにして承認した「スプートニクV」など、国産ワクチンへの不信感が国民に根強く残っているためだ。
また、露専門家は「流行の長期化で、露国民には新型コロナへの警戒感が薄れ、感染対策がおろそかになっている」と指摘。
より感染力の強いデルタ株など変異株の蔓延(まんえん)も感染拡大に追い打ちを掛けている。
露政権は、プーチン大統領やミシュスチン首相らが国民にワクチン接種を呼びかけるとともに、
一部の職種で働く国民に接種を実質的に義務化するなど事態打開へ躍起になっている。
https://www.sankei.com/article/20211016-3ISWICTVAVIFHPWQSHRXEPD6VE/