ロシアで新型コロナウイルスの感染再拡大に歯止めがかからない。十四日には一日当たりの新規感染者、死者数とも過去最多を更新した。
ワクチン生産国でありながら、国民の間で接種が進まないことが主な原因で、プーチン政権は対応に苦慮している。
感染再拡大は先月中旬から始まった。十四日に発表された全土の新規感染者は三万一千二百人超、死者は九百八十六人。
プーチン大統領は十二日、下院議員らを前にした演説で「ワクチン接種は人々を感染と重症化から守る」と述べ、接種のペースを加速させる必要があると強調した。
ロシアでは、安全性への懸念や、ワクチンを国威発揚の手段に用いる政権への不信感から、
二度の接種を完了した国民の比率は約35%にとどまっている。
既に二十以上の州・共和国が飲食店や交通機関の利用の際にワクチン接種を義務付けるなど、対策に躍起だが効果は限定的だ。
高齢者の三分の一しか接種が終わっていない首都モスクワでは十三日、
接種した年金生活者に一定の条件を満たせば一万ルーブル(約一万五千八百円)を贈るキャンペーンを始めると発表した。
https://www.chunichi.co.jp/article/347778