パリのアンヌ・イダルゴ市長(62)は12日、訪問先のフランス北部ルーアンで、2022年4月に実施される大統領選への出馬を表明した。左派・社会党に所属し、パリの女性市長として知名度が高い。現在の支持率はマクロン大統領らに引き離されているが、今後、左派勢力を結集できれば、マクロン氏らのライバルに躍り出るともみられている。
イダルゴ氏は、幼少期にフランコ独裁体制のスペインから移民としてフランスに逃れた。14年からパリ市長を務める。出馬表明では「フランスの全ての子供たちに私と同じ機会を提供する」と述べ、格差対策に力を入れると強調した。
フランスメディアによる大統領選の世論調査では、出馬を正式表明していないマクロン氏と極右政党「国民連合」のルペン氏が大きくリードし、決選投票が前回の17年大統領選と同じ構図になるとの予想が多い。
一方、左派勢力は環境政党「欧州エコロジー・緑の党」が9月末に党内の予備選を予定するほか、急進左派「不服従のフランス」創設者のメランション下院議員ら複数の候補者が出馬表明するなど、候補が乱立している。
イダルゴ氏はパリ市の自転車専用道の拡充や自動車の往来規制などに取り組んだ実績がある。そのため環境問題を軸にして、左派勢力を集結させる動きがあり、イダルゴ氏が中心となるとの観測も出ている。【パリ久野華代】
毎日新聞 2021/9/13 00:48
https://mainichi.jp/articles/20210913/k00/00m/030/005000c