【ワシントン】米連邦最高裁判所は24日、米国への難民申請者に対し審査期間中はメキシコに待機するよう義務付けるトランプ前政権下の政策を復活させた。リベラル派の判事3人は反対した。
ジョー・バイデン大統領は、治安に問題がある国境都市で移民を危険にさらしているとの批判を受け、この移民保護プロトコル(通称「メキシコ待機政策」)を撤回した。下級審は、バイデン政権が同政策を撤回する際に適切な手続きを取らなかったとし、難民申請者を一斉に釈放する代替措置は連邦法に違反している可能性があるとの判断を下した。
バイデン政権は上訴するとともに、最高裁にメキシコ待機政策を無効化するよう求めていた。だが最高裁は24日に発行した簡潔な命令文で、政府の主張が認められる公算は小さいと述べた。
最高裁は無署名の命令文で、バイデン政権は、移民保護プロトコルを無効にする覚書(大統領令)が恣意(しい)的なものではないという主張が認められる可能性を示すことができなかったと述べた。スティーブン・ブライヤー判事、ソニア・ソトマイヨール判事、エレナ・ケーガン判事のリベラル派判事3人は政府の主張を認めていた可能性を示唆した。
実際には、メキシコ待機政策は2019年から実施されていない。2020年に新型コロナウイルスの流行が始まって以降、トランプ・バイデン両政権とも疾病対策センター(CDC)の公衆衛生命令に基づき移民の入国を停止している。
2021年8月25日 11:21 JST
https://jp.wsj.com/articles/supreme-court-reinstates-remain-in-mexico-policy-for-asylum-applicants-11629858030