■水面下で複雑な駆け引きを行う“武将”
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まさに日本の戦国時代末期のような様相だが、そこで重要なのは、いわば戦国武将のような各有力者が今後、どう動くかということだ。アフガニスタンの今後を見通すには、情勢のカギを握る“武将”たちに注目すべきだろう。
■穏健派から過激派まで タリバン側のキーマン
@ 姿を見せない謎のタリバン最高指導者 ハイバトゥラー・アクンザダ
タリバンのトップである最高指導者。もともとイスラム法学者で、タリバン内でイスラム法廷責任者を長く務め、タリバン創設者でカリスマ指導者だった故ムハマド・オマルの宗教顧問として重責を担った。
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こうした背景から、アクンザダは最高指導者といっても、その権威は絶対ではない。今後、アクンザダが新政権トップの最高指導者となることは既定路線だが、最高指導者といっても彼は、本来は宗教指導者であり、新政権の政治面でどういった役割を果たすかは不明だ。また、そんな“神輿”的立場で、さまざまな有力者が集まっているタリバンの全体をどれだけ掌握できるかも不透明である。
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A「穏健なタリバン」を演出する次期大統領候補 アブドル・ガニ・バラダル
現在の「穏健なタリバン」路線を打ち出している、タリバン政治担当副指導者だ。タリバン指導部では最高指導者の下に、公式に3人の副指導者が任命されているが、現在のタリバンで、その政治的スタンスを主導しているのがバラダルだ。彼はタリバン創設時からの重鎮で、組織内の中枢で大きな影響力を持っていると推測されている。
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Bタリバン最凶の実力者 シラジュディン・ハッカニ
タリバン指導部に3人いる副指導者の1人。3人のなかでも、最強硬派と推測される。タリバンはいくつもの地元武装部族集団の結合体だが、その中でも強力な「ハッカニ・ネットワーク」を率いる。ハッカニ・ネットワークはアフガニスタン南東部からパキスタン北西部を拠点としており、パキスタン軍情報機関との関係が深い。もともとはシラジュディンの父親が率い、数々のテロを行ってきた。米国はタリバンとは別にテロ組織指定しており、ハッカニをテロ容疑者手配している。報奨金は最高500万ドルだ。ハッカニはタリバンでももっとも強力な兵力をもつ戦闘指揮官でもあり、タリバン指導部でも影響力の強い副指導者でもある。タリバンには他にも有力な戦闘指揮官や部族指導者がいるが、その中でもハッカニの動向が大きな影響力を持つだろう。
Cカリスマ指導者の息子でタリバン軍事部門総責任者 ムハマド・ヤクーブ
副指導者の1人。カリスマ的指導者だったタリバン創設者のムハマド・オマルの息子。血統からタリバン内に支持者が多く、第2代や第3代の最高指導者の選出時でも名前が挙がったが、年齢が若いことから見送られたという。現在でも30〜31歳とみられる。2020年、タリバンの正式な軍事部門総責任者に就任した。タリバン指導部内では、ハッカニらの強硬派と対立しているとの見方もあるが、詳しいことは不明である。なお、これまで一切、本人の写真も撮られていない謎の人物でもある。
■反タリバン勢力の若きカリスマ、老練の政治家
D反タリバン軍を率いる若きカリスマ司令官の息子 アフマド・マスード
タリバンと現在も戦っている抵抗勢力「アフガニスタン国民抵抗戦線(NRFA)」(通称「パンジシール抵抗軍」または「第2抵抗軍」)の中心的人物。北東部の峻険な要害であるパンジシール渓谷を拠点とする。 現在31〜32歳と年齢は若いが、タジク人の戦闘指揮官として名高かった故アフマド・シャー・マスードの息子であり、父の後継者として地元では大きな影響力がある。
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E暫定大統領を宣言した旧政権の副大統領 アムルッラー・サーレ
旧政権の第1副大統領。ガニ大統領の国外逃亡を受けて、正統な暫定大統領を名乗る。現在、パンジシール渓谷の抵抗軍に合流している。もともとパンジシール渓谷出身のタジク人で、前出のカリスマ的ゲリラ司令官だった故アフマド・シャー・マスードの部下として活動し、2001年のタリバン政権放逐後に、カルザイ政権で情報機関「国家安全保障局」(NDS)長官を務めた。
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F今もタリバンとの交渉を進める旧政権高官 アブドラ・アブドラ
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Gタリバンとの交渉に名乗りを上げた元大統領 ハミド・カルザイ
旧政権の元大統領。パシュトゥーン人の有力部族に連なる家系で、タリバン側に人脈的な繋がりもある。(続きはソース)
8/27(金) 17:12配信
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