【カブール=共同】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンと、全土34州のうち唯一制圧していない北東部パンジシール州の反タリバン勢力が初の幹部協議を開き、一時停戦で合意したことが26日分かった。対抗勢力側が明らかにした。
ただ支配権を巡る双方の主張は溝が深く、今後の交渉の行方は不透明だ。停戦は協議継続中に限られ、戦闘再燃も懸念される。
対抗勢力を結集したアフマド・マスード氏の側近によると、25日にパンジシール州に隣接するパルワン州の州都チャリカルに双方の代表団が集まり、初協議を開いた。
タリバン側はパンジシール州の政府軍の引き渡しや、マスード氏の投降を要求。対抗勢力側は、北部の州の権限や、全ての国民が参加する政権の樹立を求めた。タリバンは「包括的な政権」の樹立を掲げているが、既に事実上の政権運営を始めており、対立している。
マスード氏は旧タリバン政権に抵抗して2001年に暗殺された国民的英雄、マスード司令官の息子。英BBC放送に「平和的な対話による解決に努力するが、交渉が決裂した場合、国民の代表として戦う」と語っている。
2021年8月26日 22:21
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM26DAV0W1A820C2000000/