タイの公共放送タイPBSなどによると、7日、黒い服を着た医師、看護師らのグループが国会を訪れ、
mRNA(メッセンジャーRNA)技術による新型コロナウイルスワクチンの調達を求める約22万人分の署名を与野党の国会議員に手渡した。
タイ政府が使用する中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製ワクチンなどに比べ、
米ファイザーや米モデルナのmRNAワクチンはデルタ変異株に対する有効性が高いとして、デルタ株の感染拡大を抑えるためにmRNAワクチンが必要と訴えた。
同日、学生のグループが保健省前で集会を開き、シノバック以外の有効性が高いワクチンを調達するよう政府に要求した。
タイ政府はシノバック製と英アストラゼネカ製の新型コロナワクチンを輸入で調達し、2月下旬に接種を開始。
6月にはタイ王室傘下の製薬会社サイアムバイオサイエンスの工場でアストラゼネカのワクチンの国内生産を始めた。
政府とは別に、ワチラロンコン・タイ国王の妹のジュラポン王女が設立した医療研究教育機関ジュラポン・ロイヤル・アカデミーが
中国医薬集団(シノファーム)のワクチンを6月から輸入し、国内企業などに販売している。
タイの総人口はタイ人、外国人合わせ約7000万人。タイ政府は年内に1億回分のワクチンを調達し、
人口の約7割にワクチンを接種する目標を掲げている。
しかし、計画の柱であるアストラゼネカのワクチンの国内生産が軌道に乗らず、7月6日までの累計接種回数は1132万8043回にとどまっている。
7月に入ってからの1日の接種回数は1日29万9485回、2日34万5109回、3日9万8605回、4日10万6851回、5日28万642回、6日26万9653回。
7月3日までの累計接種回数はシノバック製が全体の62.6%、アストラゼネカ製が36.8%、シノファーム製が0.6%を占めた。
http://www.newsclip.be/article/2021/07/08/44955.html