東京五輪関係者、中国ワクチン接種で入国…大丈夫か? インドネシアでは接種完了後に350人以上が感染 欧米製との“効能格差”は明白
6/22(火) 16:56配信 夕刊フジ
https://news.yahoo.co.jp/articles/4de97656c27a41935d3484b26ef36a32c192aec6
東京五輪・パラリンピックでは、日本を訪れる各国の選手や関係者の大半が新型コロナワクチンの接種を済ませる見通しだが、そこで浮上しているのが「ワクチン格差」の問題だ。欧米製と中国製で効果の差が明確になり、接種済みの人も一部で感染リスクが高い可能性がある。
東京五輪・パラリンピックでは出場選手や指導者などの約8割、国内外のメディア関係者の7〜8割が大会までにワクチン接種を済ませる見通しとされる。
ただ、どのワクチンを打ったかで感染防止効果は違ってくるようだ。
香港の英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、香港大がワクチンを接種した市民1000人の抗体反応を調べたところ、米ファイザーと独ビオンテック社が共同開発したワクチンを接種した人の抗体レベルが、中国製薬大手の科興控股生物技術(シノバック)製を接種した人のレベルを「著しく上回る」という。
中国当局は20日、国内のワクチン接種が累計10億回を突破したと発表したが、中国製ワクチンを接種して来日するのは中国の選手や関係者だけではない。中国ワクチンは途上国を中心に普及し、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国に有償・無償で供給が確定されたワクチンは同日時点で約1億2000万回に達した。カンボジアでは96%、インドネシアで91%、ラオスで約89%、フィリピンでは6割超が中国製とされる。
インドネシアでは今月に入り、接種完了後の医療従事者350人以上が感染したと報じられた。
中国産ワクチンが多い南米のチリは接種率が60%を超えているが感染拡大が続いている。
東京五輪・パラリンピックで海外選手や関係者の入国も増えるが、公式プレイブックでは、ワクチン接種を「義務」ではないとしつつ、「各国で定められた」優先接種を強く支持していると表記されている。
世界では、出入国の際にワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」発行の動きも加速し、日本でも7月中旬から導入の見通しだが、接種したワクチンによってパスポートの「効力」にも差が出ることもありそうだ。
「途上国は中国製ワクチンが多く、接種済みといっても安心はできない」と指摘するのは東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)。
「五輪の時期は日本も注意して対策を行うだろうが、その後、海外との往来が進むにつれて、途上国からの入国者の感染や重症化が増えることも懸念される。五輪・パラリンピックの閉幕後、1カ月程度は厳格な感染対策を続けるべきだ」と指摘した。