毎年数百人の就職支援をしているのですが、年を追うごとに「営業職には就きたくない」という学生が増えています。こういった学生が希望するのは「企画」「マーケティング」「新規事業立ち上げ」「人事」「コンサルタント」といった業務です。
なぜ”学生の営業離れ”が加速しているのでしょうか。いくつかの要素があるように感じます。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介)
“営業インターン”が理由で営業嫌いになる学生も
1つ目は「”営業インターン”のせいで営業という職種を勘違いしている」ということ。近年、学生期間中に長期インターンを選択する人が増えてきており、その中でも営業系のインターンを経験する人が多いです。
中には、テレアポや飛び込み、資料作成などの“社員がやりたくない仕事だけをさせる”だけのものもあります。嫌なことだけさせて、取ったアポの商談に行かせることも、同行させることすらもありません。
営業の本質的な面白さは、顧客の心を動かす、課題を解決する、信頼して貰いお金を預かるといったことですが、それが皆無で営業のしんどい部分だけを体験していることになります。その結果、営業に嫌悪感を示す学生がいるといえます。
その周りの学生も営業の嫌な部分を聞かされ、避けるようになります。営業職の悪い部分だけを見聞きして嫌ってしまうのは、非常にもったいないことだと思います。
2つ目は「テクノロジーの発達により営業職がなくなると思っている」。ニュースなどで営業は、AIの発達によりなくなる仕事として取り上げられがちです。将来無くなるのであれば就くのは危険だと、学生は避ける傾向にあります。
確かに、AIを含むテクノロジーの発達により、営業のあり方は大きく変わっていくでしょう。それこそテレアポや飛び込みなどはインサイドセールスの発展により少しずつなくなっていくでしょう。
しかし、”顧客の本質的な課題を見つけ解決する”という本質的な価値は、経験を積んだ”人”以外に代替えは難しいと思います。
3つ目は「営業職はスキルがつかないと思っている」ということ。アプリやSNSが身近になったことで、マーケティングやプログラミングといった”わかりやすいスキル”がビジネスパーソンとしての成長だと考える学生が圧倒的に多くなりました。
その反面、”営業スキル”は、人間性やコミュニケーション力といった、どちらかというと”わかりにくいスキル”で構成されます。そのため”営業”をあまり良く知らない学生からすると、誰にでも出来る、スキルがつかない職種だと思われてしまっているようです。
(略)
その経験から、営業職を敬遠する学生に対して伝えていることがあります。
1.営業ほど汎用的に通用する職種はない
営業という職種は一部な特殊な会社を除いて、ほぼ全ての会社に存在しています。そもそも、新卒採用における総合職のほとんどは営業職配属です。だからこそ営業職で実績を残すことが出来れば、様々な会社に転職することが可能になります。転職において最も汎用性の高い職種なんです。
2.営業経験が、独立してから会社を支える一番の能力になっている
「独立を考えている」という学生には必ず「営業職をやった方が良い」と伝えています。もちろん、突出したプログラミングスキルやデータ解析のスキル、研究者として特許を保持しているなどの場合は別です。
うっすらと独立を考えている学生にとって、営業職ほど独立への近道はないと思います。顧客を見つけ、お金を自分の力で稼いでくることが出来るというのは独立するにあたって何物にも代えがたい能力となります。
3.人として、成長出来る
コンサル先の人事担当者を見ていて思うのですが、最初から人事やマーケティング職としてキャリアをスタートさせた人の一部は、外部パートナーに非常に横柄な態度を取っています。
こうした人が部署異動で営業を経験し、再度人事やマーケティング職に帰ってきたとき、見違えるほど人として成長していることがほとんどです。それは人の気持ちを動かす「営業」という仕事に就くことで、相手の気持ちを考え行動することを学ぶことが出来るからです。
“相手の気持ちを考え行動する”、当たり前といえばそうですが、実は経験しないと非常に難しいことだと思います。営業職をイメージだけで毛嫌いせず、自分がどういう職業に向いているのか考えた上で就職活動を行って頂きたいと思います。
2021.6.14
https://news.careerconnection.jp/career/recruit/119354/
※前スレ
http://2chb.net/r/newsplus/1623808274/
なぜ”学生の営業離れ”が加速しているのでしょうか。いくつかの要素があるように感じます。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介)
“営業インターン”が理由で営業嫌いになる学生も
1つ目は「”営業インターン”のせいで営業という職種を勘違いしている」ということ。近年、学生期間中に長期インターンを選択する人が増えてきており、その中でも営業系のインターンを経験する人が多いです。
中には、テレアポや飛び込み、資料作成などの“社員がやりたくない仕事だけをさせる”だけのものもあります。嫌なことだけさせて、取ったアポの商談に行かせることも、同行させることすらもありません。
営業の本質的な面白さは、顧客の心を動かす、課題を解決する、信頼して貰いお金を預かるといったことですが、それが皆無で営業のしんどい部分だけを体験していることになります。その結果、営業に嫌悪感を示す学生がいるといえます。
その周りの学生も営業の嫌な部分を聞かされ、避けるようになります。営業職の悪い部分だけを見聞きして嫌ってしまうのは、非常にもったいないことだと思います。
2つ目は「テクノロジーの発達により営業職がなくなると思っている」。ニュースなどで営業は、AIの発達によりなくなる仕事として取り上げられがちです。将来無くなるのであれば就くのは危険だと、学生は避ける傾向にあります。
確かに、AIを含むテクノロジーの発達により、営業のあり方は大きく変わっていくでしょう。それこそテレアポや飛び込みなどはインサイドセールスの発展により少しずつなくなっていくでしょう。
しかし、”顧客の本質的な課題を見つけ解決する”という本質的な価値は、経験を積んだ”人”以外に代替えは難しいと思います。
3つ目は「営業職はスキルがつかないと思っている」ということ。アプリやSNSが身近になったことで、マーケティングやプログラミングといった”わかりやすいスキル”がビジネスパーソンとしての成長だと考える学生が圧倒的に多くなりました。
その反面、”営業スキル”は、人間性やコミュニケーション力といった、どちらかというと”わかりにくいスキル”で構成されます。そのため”営業”をあまり良く知らない学生からすると、誰にでも出来る、スキルがつかない職種だと思われてしまっているようです。
(略)
その経験から、営業職を敬遠する学生に対して伝えていることがあります。
1.営業ほど汎用的に通用する職種はない
営業という職種は一部な特殊な会社を除いて、ほぼ全ての会社に存在しています。そもそも、新卒採用における総合職のほとんどは営業職配属です。だからこそ営業職で実績を残すことが出来れば、様々な会社に転職することが可能になります。転職において最も汎用性の高い職種なんです。
2.営業経験が、独立してから会社を支える一番の能力になっている
「独立を考えている」という学生には必ず「営業職をやった方が良い」と伝えています。もちろん、突出したプログラミングスキルやデータ解析のスキル、研究者として特許を保持しているなどの場合は別です。
うっすらと独立を考えている学生にとって、営業職ほど独立への近道はないと思います。顧客を見つけ、お金を自分の力で稼いでくることが出来るというのは独立するにあたって何物にも代えがたい能力となります。
3.人として、成長出来る
コンサル先の人事担当者を見ていて思うのですが、最初から人事やマーケティング職としてキャリアをスタートさせた人の一部は、外部パートナーに非常に横柄な態度を取っています。
こうした人が部署異動で営業を経験し、再度人事やマーケティング職に帰ってきたとき、見違えるほど人として成長していることがほとんどです。それは人の気持ちを動かす「営業」という仕事に就くことで、相手の気持ちを考え行動することを学ぶことが出来るからです。
“相手の気持ちを考え行動する”、当たり前といえばそうですが、実は経験しないと非常に難しいことだと思います。営業職をイメージだけで毛嫌いせず、自分がどういう職業に向いているのか考えた上で就職活動を行って頂きたいと思います。
2021.6.14
https://news.careerconnection.jp/career/recruit/119354/
※前スレ
http://2chb.net/r/newsplus/1623808274/