(台北中央社)新型コロナウイルスの感染が急拡大している台湾への日本と米国による相次ぐワクチン提供について、中山大学中国・アジア太平洋地域研究所の林文程特別教授は、中国がワクチン外交によってインド太平洋地域での影響力を拡大させるのを阻止する狙いがあるとの見方を示している。
日本が無償提供したアストラゼネカ製ワクチン124万回分は4日に台湾に到着した。米国は6日、ダックワース上院議員ら3人を台湾に派遣し、ワクチン75万回分の寄贈を発表した。
林特別教授は6日、中央社の取材に対し、日米のワクチン提供は友人間の贈答であり、中国が台湾でワクチンが不足している状況を利用して台湾内の分裂を図ろうとしているのを日米が把握し、台湾に手を差し伸べたと指摘。米国がワクチン援助の全体の計画を公表していない中で、韓国への提供と同じタイミングで台湾へのワクチン供給を発表したことは、台湾の重要性が韓国に劣らないことを示しているとの見解を述べた。
同研究所の郭育仁教授は、米日のワクチン提供はスピーディーかつ的が絞られているとし、米日が台湾を包括的な対中戦略に組み入れている表れだと言及した。
(鍾佑貞/編集:名切千絵)
中央社フォーカス台湾 2021/06/07 16:40
https://japan.cna.com.tw/news/apol/202106070003.aspx
4日に台湾に到着した日本からのワクチン