野村総合研究所は31日、新型コロナウイルスのワクチンを政府目標の1日100万回のペースで接種した場合、人口の4割が2回の接種を完了し、新規感染者が減少する効果が明確になるのは9月上旬になるとの試算を公表した。
同研究所は、接種が先行する米やイスラエルでは、接種を完了した人が人口比で4割に達すると、新規感染者が減少する傾向が明確になったと分析。米ファイザー製のワクチンのみを使用する想定で、日本で4割に達する時期を試算した。
現在の接種ペースは1日約40万〜50万回だが、6月17日から1日100万回接種が実現した場合、9月9日に接種完了率が4割に到達。1日80万回のペースにとどまれば、4割の接種完了は10月1日にずれ込む結果となった。
一方、1日100万回接種でも、東京五輪の開会式を予定する7月23日時点での完了率は20・9%と予測。感染者数は高い水準にとどまる可能性があるとした。
同研究所は、「達成には各自治体による接種の加速化が不可欠。医療体制が逼迫ひっぱくして接種が滞らないよう、インド型の変異ウイルスの感染拡大を防ぐことも重要」と指摘している。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210531-OYT1T50181/